人形の夢【戦闘／一部人数制限有／途中参加歓迎】

>>10

「セリアの言う通りです。ギル兄さんは頑張り過ぎかと」

ロストアリアを巡回警備する双子の兄妹。彼らの視界に割って入る銀髪の美男子――その名をリヴォル・エクリクス。
別エリアの巡回を担当していて丁度引き上げてきた彼の手には、所々に油の染みた紙袋が握られていた。

「ギル兄さんがそんなことを口にする時は、いつも決まって刺激に飢えている……僕の推測は間違っていますか？」

微笑みながら紙袋の中から出したのは、真っ赤な衣に包まれた揚げ鶏であった。立ち昇る湯気と乾いた音を立てる衣は、まだ調理されてから時間があまり経っていないことを伺わせる。
そう、彼は外面が良い。街の皆々に信頼できる守護者だと認識されているため、時折こういったサービスを受ける。
しかし辛みの強い揚げ物を1人で幾つも食べるのは難儀なため、こうして同僚にお裾分けしに来たというわけだ。

「刺激の穴埋めにどうぞ――鳥籠の中で生きる僕達にとっては、食事もまた重要な娯楽だ」

手が汚れないよう紙ナプキンで挟み、そっと2人に手渡す――セリアの方には、さり気なくミント風味の飴玉も添えて。
自身の境遇を受け入れ楽しんでいるような表情と口ぶりからは、危険な思想の欠片も垣間見えないのだった。

(/早速絡ませていただきます！希望や問題等あれば遠慮なく仰ってください)