加賀 2020-12-13 03:01:30 |
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此処におるから安心し、…おやすみ、縁。( とん、とんと同じリズムで布団の上から丸まった肩の辺りをゆっくりと叩きながら、眠りにつくのを妨げないよう柔らかな声で囁き。くるくると表情を変える愛嬌のあるかんばせは、今は静かで、先程より幾分か穏やかなことに安堵し。寝息を立てる、あどけない顔を覗き込み慈しむように目を細めると、眠る前の挨拶を甘やかに続けて )───さて、( 貴方が眠るのを見届けてから、静かに寝室を後にすると近くのコンビニへ買い出しに向かい。戻ってからは洗濯物を片付けたり、仕事用のスマートフォンを確認し、幾つか連絡をしたりと過ごし。最後に家主よりも慣れ切った様子でキッチンに立ち、一度も使われたことのなさそうな一人用の土鍋を発見すると白だしをきかせた薄味の卵粥を作り終え、ぐうっと伸びをして。時刻を確認し、あっという間に数時間経過していることに気がつくと、先程購入したスポーツドリンクや冷却ジェルシートの入った袋を手に、音を立てぬよう静かに寝室へ向かうと丁度目が覚めた様子の貴方に歩み寄り。掠れて色っぽいのに、舌足らずで幼いアンバランスな貴方の声で己の名が紡がれると、なんとなくむずむずと心を擽られ、きゅんと音を立てた。庇護欲を唆られてだらしなく緩みそうになる顔を引き締め、寝乱れた紫色の髪を手櫛でさらりと梳かしてやりつつ、薄らと笑みを向けながら寝ぼけ眼に問い掛けて )はいはい、おるで。…おはようさん。気分は?
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