加賀 2020-12-13 03:01:30 |
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………んん、すまん。手間かけさしてもて、堪忍してや。(ソファに乗りかかっていた体重は簡単に貴方へと移り、本来なら香水だけとはまた違う貴方の香りが心を擽るのに鼻が馬鹿になっているのかそれが感じられずに不安が強まる。顔に触れる指先がいつもなら温くて仕方ないのに今日ばかりはひやっこくて気持ちがいいと濁る目は瞑り瞼が落ちて。断らなければならないのに貴方の優しさにほんの少しでも触れてしまった後に断る事なんて出来る訳もなく、ぼつぼつと細切りにすまんと申し訳ない、堪忍してくれの単語を只管に繰り返し)昨日の夜までは元気やってん、ちょお疲れたかなぁ思うくらいで。朝起きたら体しんどかってんけど昼までやったし、そこ頑張れば明日は休みで明後日は仕事言うても昼過ぎからやから穴あけらんと行けるから。誰にも迷惑掛けへんよ。……ちゃうなあ、せいしろに迷惑掛けてもぉて。ありがとお(誰に言うでもない自分に言い聞かせるような言い訳が、起きたことで出やすくなった咳混じりに口を付く。伏せていた瞼を開いて盗み見た貴方があんまりにも優しい顔をしていて、無性に泣きそうになってしまう。ズズと鼻を鳴らしてはよしかかったままくっつく顔をスリと寄せて)ごめんやけど、肩借りてもええかなぁ。………指、冷たくて気持ちええ(きっと端からそばに居ると言われれば募る申し訳なさと風邪を移す不安から甘える事が出来なかった。貴方の気遣いを知らぬまま酔っ払った時にも似た覚束無い視界を目を瞑る事で消し去り、立ち上がるために甘ったれた要望を伝え。頬に触れる指先の優しい冷たさを噛み締めつつ、一人じゃない事を嬉しく、同時に少し恐れるような声で伝え)
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