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【ラクティ街道】

ゼロ「魔法、か…科学技術の発達した俺の世界では、非科学的だと言われる代物の筈だが…妙に懐かしい響きだ。ここに来てからの妙な違和感といい、やはり百年前の俺は…いや、今それはどうでもいいことかーーレプリロイド…簡単に言えば高度なAIを搭載して生み出されたロボットの総称だ。俺のような人間を模したヒューマノイドタイプ、及び実在する動植物や伝説上の架空の生物や植物をモチーフに制作されたミュートスレプリロイドに大まかに二分されている。情報処理担当、気象管理用、ナノマシン技術による治癒能力に特化したタイプ、隠密戦特化型、水中戦特化型、空中戦特化型、純粋な戦闘特化型など数多くの分野目的に特化した性能で製造されたワンオフタイプから、人間と共に一般作業や家事などに従事する量産型タイプなど、その種類は多岐に渡っている。ならばBaby、Spring trap、ヴィル、切歌、調という呼び方で構わんな？」

（女言葉を話す点は若干気にはなるものの（嘗てのゼロは百年前、とあるイカ型レプリロイドが男性タイプであるにも関わらず、女言葉で話すことに対して、少しばかり苦手意識があることを告白している）、ヴィルによれば、相手は魔法学園に在籍する生徒らしく、魔法という本来科学とは相容れないワードに何故か妙な懐かしさに似た感覚を感じながら、この世界に来た時のあの違和感と合わせ、やはり記憶を失う前の百年前の自分は嘗て、今のように別の世界に転移した経験があるのではないか…と推測を立てる。もしかすれば、嘗ての記憶を取り戻すことができるかもしれない…この世界に来てから自身のメモリーには存在しない筈の"嘗て自分が使っていたと思われる技の数々"が新たに発言しているのを見て、そんな淡い期待を抱くが、一旦その思考を打ち切る。
先程の金髪の少女改め、暁切歌、そしてその相方である黒髪の月読調の関係性を何となく会話から察しながら、恐らく切歌は会話内容から察するに邪気などがあるタイプではなく、ただ良くも悪くも純粋なだけで若干横文字が苦手であり、その相方の調はどちらかと言えばポーカーフェイスが得意なだけか、もしくは己のように感情を表現するのが苦手なだけなのか現時点では判断に困るところだ…などと思いながらも、レプリロイドに対しての概要を出来る限り簡潔に纏めながらどういった存在なのかを話すことにした）

ゼロ「また異邦人が来たようだなーーお前、もしや…声が出せないのか？」

（そんな中、また異邦人らしき人物が現れる。今度は今度で着物を着こんだ別の意味で浮世離れした外観の人物だが、明らかな負傷の形跡が見て取られ、己よりも先にヴィルが駆け寄って対応に当たろうとするが、純戦闘型として製造され、医療技術のノウハウもなければ、治療キットの類なども持ち合わせていない己では、残念ながら出来ることは何もないだろう。それと同時に、その相手の様子に違和感を感じた…先程から言葉を一言も発そうとはしていないように感じたためだ。声が出せなくなるといった症状は強いトラウマなどから後天的に起こることも十分にあり得る…そのため、ただ自然に相手に思った疑問を問いかけて）