迷子の魔人 2020-11-10 17:35:38 |
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え、アルムが?
(自身の部下の兵士長の言葉に、意外そうに瞳を瞬かせれば、ちらりと相手を見て。その後すぐ、少々俯き加減に「……そうか、そうかぁ」と呟くと、再び兵士長に視線をやり「となると、俺の仕入れた品は?どうなりました…?」と尋ね。当然ながら、宿に預けてあったのは商品だけではなく、私物も同様なのだが、今はそちらにまで気が回らず。問い掛けられた兵士長の方は『もちろん、』と言って。
……?、一瞬、不自然に空いた間に疑問を持つが、兵士長は一拍程置けば、薄く眉間にしわを寄せ、車椅子に座っている為、低い位置にいるこちらを見下ろしつつ『病院への郵送を依頼しましたが……』と続け。その返答を聞くと、郵送か、きちんと梱包や配送手段にも気を配ってくれただろうか……多分無理な気がする、詳しく中身を知っているのは自分だけなのだし、これは病院に帰ったらすぐに確かめよう、と考え。それでも一連の手続きを済ませて貰ったことは素直に大変ありがたく、顔を上げれば、ほっとしたように笑顔で「そうですか。お手数かけちゃってすみません。ありがとうございます」とお礼を述べて。
だが、兵士長の方は怪訝な表情となっており。何だろう、と思ったところで、疑惑を帯びた相棒の声が耳に届き、手が伸びてきて。…確かに、ちょっと火照った感じはするが、高熱という感じはせず、恐らくあったところで微熱だろう。特に相棒の手は止めようともせず、ただ視線だけ返すと「別に大丈夫だよ。それより、やることが沢山あるから、帰ろう?」と告げ。対して、兵士長は再度口を開けば、こちらの様子を伺うようにしつつ、相棒の方も見て)
「いえ、疲れた感じが顔に出ていますよ。すぐ病院に戻られます? リズクなら控えさせていますが、私室で休んで行かれてもいいのでは」
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