迷子の魔人 2020-11-10 17:35:38 |
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え、アルム…!?
(戦闘の最中、不意に脳裏をよぎった記憶は断片的で、あの時の自身の感情と言動は正直なところ、別の誰かに取りつかれているようですらあって。それほど咄嗟のことであり、改めて振り返るとどうにも不思議で気恥ずかしいような心持ちにすらなり、相手からの言及に対しても、さりげなくぼかすかの如く曖昧な返事をしてしまったのだが、その返答への相手のリアクションは思いの外に真面目で畏まったもので。これでまだ他の人物であれば、なんだよ、改まっちゃってさ、等と言って笑って流すこともできただろうが、何せ、相手である。割りと失礼なところだろうが、素直に衝撃の方が上回ってしまい、思わずそれまでのヘラついた表情から一転、驚きに目を見開き、仕草もぴたりと凍らせ、台詞を繋ぎ。
な、なんだこれは、嵐の前触れ? それとも、何処か怪我の打ち所が悪かったのか?と考えかけたが、その刹那、突如ノックの音が響いて。半ば反射的に扉の方へ視線をやると、顔を覗かせたのは若手の兵士。一瞬、あれ、誰だっけ?と思うが、例によって人の顔を覚えるのは得意分野、すぐに脳内検索でざっくりとした情報がヒットし。……確か、リズクって名前だったな、と思い当たり、素性としては自身の部下である。本音を言うなら、全然この関係には慣れていない。そもそも自分は元々行商人であり、上に立つより、下にいた方がしっくりくるというもので。だが、初めて会った時、自分とそう変わらないか、もしくは1、2歳、向こうの方が年上かもしれないのに瞳を輝かせ "これから自分は貴方の部下だ" と敬意の込もった挨拶をしてくれたことは覚えており。
回想している間にも兵士は何やら早口で述べており、仕舞いには携帯を取り出したかと思うと、ほんの少しのやり取りですぐに終話した様子で。ようやく出来た隙を見計らい、話しかけても大丈夫かなと判断すれば、ベッドの上に座った状態のまま、穏やかな口調で僅かに首を傾げつつ)
……えーと、ごめんな? リズク、心配かけたんだね…?
(/内心が多方面に対し割りと失礼な上、モブを勝手に命名し、過去も勝手に補完しました。問題があれば、お伝えください←)
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