参加者 2020-11-01 10:31:10 |
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>星名
「……幸せ?鬼藤家に女として生まれた以上あの家で幸せを掴むなど永劫ありません。優しいなんて上辺すらありませんから」
(喫茶店で話すことに対しては微かに頷いたが、相手の幸せそうだ、という言葉に再び目が鋭くなる。そして視線を相手に向けずに淡々と口早に述べてから、せがむ相手より先に行こうと足を動かす。当主を受け継いでも、幼い頃から受けてきた冷遇は今も変わっていない。女であるから、女なのだから、女の癖に…男尊女卑の風習が抜けきっていない鬼藤家で幸せだと思ったことなど一度もない。他の人間に向けられてきた笑顔や優しさを自分に向けられることはなかった。当主を継ぐことがなければきっと、捨て子のままだったか下手をすればもっと酷い扱いを受けていただろう。そう考えると恐怖とも怒りとも言えない感情が渦まく。故に相手の言う鬼藤家は誰もが優しそう、という言葉を冷たく全否定して)
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