2020-10-22 20:56:51 |
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( 何時も通りだった。肌寒い季節、そんなにも関わらずグラウンドの奪い合い。そんな毎日が小学生の自分には楽しいと思えている、ただ楽しかった。その日は普段とは違い、特別ルートからの移動。所謂近道だ。見慣れた家電屋さんの前を通り掛かった、人が数人売り物のテレビに視線を向けている。気になったのだろうか、興味本意で自転車をこぐ足を止めテレビを見た。……まず目に映ったのは、大きい人達を諸ともしないジャンプ力とセンス。そして、テレビのアナウンサーの声。小さな巨人。なんて格好いいのだろう。バレーのルールを知らない小学生の瞳には、ただ小さな巨人と190cm近くの身長を誇る止めるか打つかの戦いだった。「 小さな、巨人…! 」呟き声と、テレビの歓声が交わった。俺は、小さな巨人になる。 )
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