つれづれ 2020-10-20 07:58:23 ID:5f5e6ea0e |
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【創作赤ずきん/内向的コミュ障からの話通じないデストロイヤンデレ狼】
赤ずきん…!
(囀る様に良く透る少女の声が聞こえて、慌てて木々の奥へと身を隠す。息を潜めていると、怪訝な表情で辺りを見回しながら通り過ぎていく赤い頭巾の少女に、ホッと胸を撫で下ろして。今日も木の陰からその可憐な後ろ姿をこっそり眺めては、至福の時を噛み締める日々。
初めて出会った時の胸を射貫かれる様な衝撃は消えない。この世界へ迷い込んで途方にくれていた僕に優しく微笑みかけてくれたのだ。恥ずかしさと驚きでまともに話せず逃げてしまったが、それから毎日この小道を通る少女を見ていた。おかげで花が好きな事、森の奥の家に住むお婆さんをお見舞いしている事など彼女の事を知って身近に感じる様になったが、面と向かって挨拶を返す勇気は、まだ無い…。
でも、それも今日までだ。)
…はぁ、ほんっと邪魔ばっかしてくれたよね。お前が居なきゃもっと早く事は進んだのに。
(足元に転がる猟師は、噛み千切られた首元から流れる血で赤く染まり、虚ろな目で此方を見上げていた。今日という日はなんて清々しいのだろう。念願叶って邪魔者を排除できたのだから。後は赤ずきんの母親と奥に住む老婆…簡単に片がつくだろう事に頬の緩みが止まらない。)
明日は僕からあの子にこんにちはって言って…それから二人の新しい家でおかえりも言うんだ。ふふっ、きっと喜んでくれるよね?
(吊り上がった口元から鋭い牙を剥きだしにして、愛しい人との甘い未来にうっとりと目を細めた。)
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