つれづれ 2020-10-20 07:58:23 ID:5f5e6ea0e |
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【魂=喰/子鬼とソウル/こうゆう前置きから始まる鬼ソウマカが見たかった】
…っ!クソ、
(実習後、マカ達に適当な理由を告げて別れた後、足早にアパートへ帰った。全力疾走した訳でもないのに上がった息を無理矢理抑えながら、忌々し気にアパートの壁を叩いて吐き捨てる。
ー自分の奥底…厳重に閉めていた扉の内側からガタガタと立てる音が耳鳴りのように響き、と同時に内から裂かれるように痛む胸の傷に、服の胸元がちぎれそうな程強く握っては、荒く呼吸を繰り返しズルズルとその場に蹲って)
『ソウル…、ソォウル……、くくく、オイラには聞こえるぞぉ?力を求めるお前の声が…!』
(耳鳴りに混ざって聞こえる、不愉快な笑い声に舌打ちして)
…話しかけてくんなって言ってんだろ、ウンコ野郎…くっせぇんだよ
(拍動の度に熱を持って疼く胸の傷の痛みに冷たい汗を流しながら低く唸れば、内なる鬼はその暴言など歯牙にもかけず、少し空いた黒い扉から、にぃ、と不気味に尖った歯を見せた。)
『なぁんてザマだ、ソウル!あの場に★族の生き残りと死神の息子が居なかったら、お前のだぁいじなマカは死んでいたぞ?いくらデスサイズと名が付こうと、所詮武器のお前じゃ、職人にゃかなわないのさ!』
っ…!
(目の前で道化師の攻撃を受けそうなマカの姿がフラッシュバックする。いくつもの死線を共にくぐり抜けてきたが、あの一撃が当たれば致命傷だった。人型になるのも間に合わず明確な死がマカの脳天へ振り下ろされる瞬間、影色の妖刀が道化師の腕ごと音も無く切り捨て、裕に数十メートルは離れた場所から放たれたデスキャノンによって消滅した。…俺はブラック★スターの斬撃で敵が気を取られている隙に、マカを後方へ引っ張るのが精一杯だった。項垂れ、歯がみする自分に、鬼は嬉々として続ける。)
『不甲斐ないね!!好いた女一人守れねぇなんてなぁ!!』
(その予期せぬ言葉に暫し固まって)
……は?好いた、女…?誰が、誰を好いているって…?
(一寸まで耳に届きそうな程に吊り上がっていた鬼の口元はたちまち下がり、じとっとした半目で此方を見た。)
『……………はぁ。オーケィ、オーケィ、お前がそーゆー奴だって、オイラが一番知ってたさ。』
(わざとらしい溜息と共に肩を竦める鬼が何に呆れているかは分からないが釈然としない。)
あ?んだよ、その顔!てめぇが何を知ってるって言うんだよ!?
(噛みつく様に叫べば、鬼はまたニタァ、と笑って答えた。)
『全部さ。オイラはソウル…お前自身だからな』
(…どういう事だ?聞き返そうと、怪訝な視線を投げた先に居たのは、開ききった扉からは顔が隠れて見えない程に巨大化した鬼だった。まずい、と思っても遅い。素早く伸びた巨大な鬼の腕に掴まれ、意識は黒く塗りつぶされた。)
『だからマカの魂が欲しくて堪らねぇのも、お前の本心さ!』
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