双葉 弥 2020-10-13 19:42:29 |
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…素直な子で助かったわ(彼が行ったのを確認すると顔を上げて何事もなかったかのように周りを見回す。そして失敗した感じた。チラッと彼の行く方向を見ておくべきだった。彼がどっちの方向に行ったなんて自力で分かるわけが無い。そもそも来た道が合っているのかも分からないのに。『何かあったらすぐに連絡してください』と彼は言ってくれたが、恐らくは連絡はしないだろう。絶対に自力で行ってやる。そう決心すると、右へ左へ、勘と気分で進んで行く。近付くこともあれば離れることもあり、そうこうしているうちに時間は刻々と過ぎて行く。待てど暮らせど来ない自分を彼はどう思っているのだろう。途中で何人か仲居さんたちと、すれ違ったが道は聞かなかった。自分のプライドがそれを許さなかったからだ。旅館内を彷徨って行くうちに、いつの間にか部屋の前まで戻ってきてしまった。そんなことに気付かず、同じところをグルグルと回っていて)
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