双葉 弥 2020-10-13 19:42:29 |
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ええ、もちろん分かるわよ(やや挑発的な彼の質問に即答し、『当然』と言った顔をする。彼の手を引いて部屋を出ると、目的地に向かおうとする。その顔は自信に満ち溢れており、一見すると分かっているかのようだが本当はまるで分かっていない。隙を見せたら、仕返しと言わんばかりにいじられる、と察知し「分かっている」と即答したが後のことについては考えていなかった。普段から冷静に考え、先を見据えて行動してきたつもりだが、あくまでそれは自分の弱点を知られていなかったからこその態度である。弱点を見破られ、立場が逆転するようなことがあれば冷静になんかいられない。むしろ慌てて元の自分を演じようとする。自分の悪い癖だが人前とりわけ彼の前では「冷静な先輩でありたい」という願望が脳内を支配してしまう。さて、どうしようか。悩みに悩んだ末にお腹を押さえて苦しそうな声を上げる)…翔くん……悪いんだけど先に行っててくれるかしら。ちょっと、お腹が痛くて…(きっと彼がいるから、方向音痴に拍車が掛かるのだ。ならば彼がいなければ自分一人でもたどり着けるはずだ、と考えて)
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