双葉 弥 2020-10-13 19:42:29 |
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…好きでもない相手にこんなことはしないわ。…あなたを愛してる。(彼の耳から口を離すと、彼の瞳を見て言う。堕ちた。彼はもう抵抗する気力もないようだ。やっと、やっと、彼に思いを伝えることができた。まだ彼が演劇部に来る前。陸上部の練習に励む彼を見た時からずっとこの日を待ち侘びていた。何度もこの情景を想像し、望んできた。それがいま叶おうとしている。それを思うと目に涙が浮かぶ。どうして泣いているのだろう。嬉しいのに。これが嬉し泣きというやつなのか。ダメだ。泣いていちゃダメだ。自分が先導するというのに。彼の前で泣かないと決めていたのに。涙を手の甲で拭いて、微笑むと唇にキスをする。ゆっくりと時間をかけて。彼の自分に対する好意を確かめるように、キスをする。)
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