奏歌 翔音 2020-10-12 08:45:44 ID:5762b1903 |
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>刹那さん、炎邪さん、望さん
刹那さん達が戦い終わった後に処置をしていると…ブォン!というかわった音と共に、少しはなれたところに時空の歪みのような、ひと一人が通れるくらいの空間が現れる。
クロ(みんなー、そっちの世界に帰還用のゲートを作っておいたよー。そこにみんなとニクスさんが入ったら、夢の世界の外へ出れるよー。準備できたら、そこにはいって現実まで戻ってきてねー。……あと、これはいい忘れてた不手際なんだけど……そこ、一応夢の世界なんだよね。つまりは「夢」なんだ……どういうことかっていうと、そっちで大ケガしたり死んじゃっても、現実の君たちは無事ってことだよー。うん、治療する前に伝えればよかったね。……とりあえず、僕はこっちで待ってるからー。)
と、三人の脳内に直接声が響くだろう。そしてニクスの方は……
ニクス「……」
自分があり続けた世界を、じっとみている。視線の先には荒廃した曇り空の世界に……その地から三人とニクスを見送るように見守っている、アンデッドの住人。そして骸骨二匹と、抱えられてるケルがみていた。
男と思われる骸骨「私たちは、ニクスがこの世界を離れるのと同時に……この世界と共に、彼女のなかで眠り続ける。つまりは、いったんのお別れだ。」
女と思われる骸骨「ですが、私たちは彼女の力としてあり続けます。……私たちは彼女の深層意識が産み出したまやかし。ですが……この思いに、偽りはありません。」
二匹の骸骨は、突然流暢に話し出した。理性が最初からあったかのように……まるで、暖かさを知っている、かつては人だった者かのように。
男……父親と思われる骸骨「私たちの娘……ニクスを、あなた方に託します。どうか、彼女のことをよろしくお願いします。」
女……母親と思われる骸骨「本当に名付けて上げたかった名前ではありませんが……その子はもう、ニクスという一人の少女です。……どうか、可愛がって上げてください。」
両親の骸骨「「私たちは、貴方達とニクスの道行きが幸せであることを……心から願ってます。」」
怨霊も、ゾンビも、骸骨も、ケルも……この地に住まう、まやかしから生まれた「想い達」からの言葉。それは偽物ではなく……まごうことなき本物だろう。たとえそれが現実ではない夢だとしても……虚構でも空想でも、そこにやどる想いだけは真実だと……彼らが物語っているようだ。
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