管理者A 2020-10-03 18:10:46 |
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◇ 清居 奏( 美しい彼 )
( 月冴ゆる、可惜夜。疎らに散りばめられた星々が放つ微かな光が、帰路を照らす。昼間の喧騒とは打って変わり、深閑とした静けさの中、響く不揃いなふたつの足音は、この期に及んでも尚、半歩後ろを歩こうとする此奴の所為で、一向に重なる気配がない。これじゃ、まるで。 )─── ストーカー。( 足を止め、振り向きざまにそう告げると、鬱陶しく伸びきった前髪の隙間から覗く双眸が、途端、左右に揺らいだ。 )
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