極彩の魔女 2020-09-18 15:38:35 |
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>70__ジーク様
ふふ、紳士様は褒めるのがお上手ですね。ありがとうございます。…ですが、ご無理はなさらないでくださいね。
(皇族の手を煩わせた事への申し訳なさは拭い切れないけれど、これ以上の遠慮は却って失礼となってしまうのだろう。一先ずは彼の言葉に甘えて身を委ねる旨を伝え、包み込まんとする穏やかな微笑みには同様の柔和な笑みを一つ。それから続いた甘言に対し" ご冗談を "などと微かに肩を竦め、己が身体をしっかりと抱き直す彼の負担にならぬようそっと身を寄せ「 いいえ、今日は──…今日も、日課のお散歩に。こちらの庭園には目を惹かれるものがたくさんありますから 」道すがら何気なく問われた事への返答を口に、先刻まで目にしていた鮮やかな景色を思い浮かべるべく静かに瞼を落とし「 あまりに足を踏み入れ過ぎて、警備の方から不審に思われていなければ良いのですが 」なんて冗談を含みながら言葉を付け足した。王宮の庭師により定期的に手入れされる庭園は何度見ても飽きがこない。然して、足を怪我してしまった事で暫くは満足に外を出歩けないだろうかと残念そうに唇を結んで)
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