極彩の魔女 2020-09-18 15:38:35 |
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>>シャトン姫(>>436)
(国王を籠絡した今、この国の実質的な支配者である極彩のマドモアゼルの事を一介の客人と表現したことを彼女が知れば、その気分を害してしまうだろうか。否きっと彼女は今この瞬間も魔法の力でお姫様を、引いてはお姫様に接触した己を観察しているに違いない。もしかすると子猫が地下室の近くへ迷い込んだのも魔女の仕業なのではと邪推をしかけた所で、柔らかくも冷たい感触に我に返り「 随分冷たいね。寒くない? 」大小問わず、獣の類は人間よりも体温が高い筈。猫をモチーフとした彼女にもその摂理が適用されるのだとしたらこの冷たさはきっと異常で、早くどこか暖かい所にと提案をしかけた刹那。――このタイミングで彼女たちを啼かせるとはマドモアゼルも意地悪な真似をする。鉄扉へ近付こうとした彼女に否を匂わせるべく、まるで飼い犬のリードをきつく握る主人のように、握った手を引き戻す事さえしないものの確固としてそれ以上扉には近付けさせないように淡く力を込め「 これ以上冷えると身体に障るんじゃないかな 」ここは寒い、そっちはきっともっと寒い、だから行くべきではない。あくまでも気温に託け微笑みは怖いほどに不変なまま「 ねえ、姫? 」もっと他に行きたいところがあるでしょう?――決して粗野ではないけれど有無を言わせないような、薄いベールに幾重にも遮られたような微笑を湛え続けて)
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