極彩の魔女 2020-09-18 15:38:35 |
通報 |
>>シリウス姫(>>185)
(こんなにも精悍な彼が王宮の大理石を踏む事に異論でも示すかのような、すれ違う近衛兵の怪訝な視線に睨むような一瞥をくれて黙らせる。彼と同等な立場である事を意味する騎士の勲章を光らせる男にすれ違いざま声を掛け、持ち場を離れる彼の代わりを仰せ付けて。背後から注がれる謝意が心からのものだと伝わっているからこそ、彼の言う" 御恩 "に一片の心当たりも無いことがますます不気味で「 ――大袈裟。 」それ以上聴きたくないのだと、拒絶を滲ませてぽつり言い放ち。やがて辿り着いた医務室の扉を自分で開き、やけに慣れ親しんだ足取りで薬棚への距離を詰めつつ「 適当に座って。この時間は王宮医いないから 」必要な道具を一つ一つ手に取りつつ淡々と告げるのは、命令口調の方が相手の遠慮を抑制出来ると踏んでの事。やがて彼が何処かに腰掛けたのを背後の気配で感じ取れば、向かい合うように座り「 見せて 」藪から棒に一言。もしも少しでも躊躇いを見せようものなら「 ……早く。 」ジト目で見つめながら顎先で怪我をした手を示そうか)
トピック検索 |