はじめての、　（〆）　　

──ただいま、菱川クン。（　図々しく両手広げるとハグの催促　／　え　）結局遅くなっちゃった、ごめん。
ッふは、菱川クンだけなワケないでしょ。俺だって足りなかったもん、充電させて、（　ちらり上目遣い　／　おねだり　）休日潰れた、て言ってたけど、…ちゃんと休めてる？新年度だし忙しない一週間だよなァ。俺は一旦落ち着いたよ、（　こく　）全然負担なんかじゃねェよ。寧ろ待っててくれて嬉しい（　＂負担になりたくない＂という相手の言葉を聞き入れれば数度瞬きをしたのち、ゆるりと首を左右に振って　）……誰彼構わず誑してンならそれはそれで問題だなァ。（　誠実な彼なので人を弄ぶようなことはしないと信頼しつつも、その人柄故に好意を寄せられることも多いのではないかと予想をすると僅かに表情を曇らせ、ぶつぶつと独り言を呟き　）

なにそれ、すげェ可愛いじゃん。…俺はもう成長期終わっちゃったなァ、（　先程見せてもらった写真の人物を思い返しつつ、想像しては楽しげに笑い　）
──ン、（　ふわりと唇が触れれば一瞬驚いたように目を瞬かせ　／　相手の背に腕を回せば更に此方へ引き寄せるようにし、優しく相手の唇を食み　）
…ンな風に言われたらすぐグズグズになっちゃうよ。甘やかされんの弱いンだから（　髪を梳かすような指の動きに心地良さげに瞼を伏せると、相手の首筋に顔を埋めたまま小さな声で呟いて　）

え"、そうなの？知らなかった…、そういうのって全部外国発祥なモンだと思ってたわ。菱川クンと話してると初めて知ることたくさんで新鮮、…いや、俺が知らなすぎるだけなのかな（　ぱちくり　／　楽しげに笑み　）
そんじゃあさ、最初で最後、…とかで終わらせねェようにすっから、来年も再来年も、この先も楽しみにしてて。（　どんな反応を示すだろうかと内心不安があったものの、想像以上の好感触に満足げに口角吊り上げ　）
へえ、ブランデー……だからか、コクがあるっつーか、ただのトリュフじゃない、って感じすんのかな。すげェ美味しい（　相手から手作りのチョコを貰えたという事実だけで、既に特別なバレンタインデーを過ごせたことに変わりは無いが、それに一手間を加えより美味しいものを作ってくれたことに感動するように瞳を僅かに輝かせて。未だ口内に残る心地良い甘味に目を細めながら感想を述べ　）

常に気ィ張ってるような感じだもんね。菱川クンの周りにも居るの？そういう人、（　誰かのことを考えての発言だろうかと首を傾け　）そりゃね。ちゃんと好きになった人に対しては本気だよ、（　何やら良い印象を与えることが出来たのだろうかと口角を上げつつ返答し　）
（　本気とも冗談とも取れるようにも聞こえる甘い言葉を受け取れば、まるで弄ばれているようだと益々羞恥心を感じつつも、片眉を上げれば＂…そこまで言うンなら、責任取ってもらわなきゃなァ。＂と低めた声で囁き、仕返しとばかりに意地悪く笑み　）ふは、俺にしてはね。…うん、頂きます（　褒められると上機嫌に表情緩めて、恵方巻を持つと相手が指し示す方角へ向き、一言呟いて　／　そわそわ　）

そうそう。怒られるとモチベーション下がるしさァ（　こくこくと頷　／　当たり前のことを、　）ッふふ、それ良いね。休みが合ったら是非そうしたい──けど、一緒に寝たらもれなく菱川クンは俺の抱き枕だよ（　くすくす　／　一緒の布団で眠るのが当然とでも言うように　）んあー……相手が菱川クンなら出れるかもしんねェ（　気を許した相手であれば時間帯問わず連絡が来るのは嬉しいもので、想像しては微笑みつつ、＂モーニングコールみたいだね＂と付け足して返答し　）そりゃそうでしょ。こんなに男前で美人で優しい同居人サンが居るなんて、めちゃくちゃ幸せものですし。菱川クンの分までドヤってあげんよ（　うんうん　）

んんー？…教えてあげなーい、（　クラッカーで出迎えるという言葉を聞いては先程見せられた相手の弟や妹の顔を思い返し、きっと温かい家庭なのだと想像しては頬を緩め。どこに、と言われると相手の愛らしいポイントは敢えて自分の中だけで留めておきたくもなり、くすくすと悪戯っぽく笑いながら答え　）ケーキも…プレゼントまで、？（　充分過ぎるほど幸せだというのにこれ以上に貰ってしまっても良いものなのか、ぱちりと瞬きをして。そこへ差し出されたプレゼントボックスへ手を伸ばすとゆっくりと受け取り、＂…ありがとう。開けてみてもいい？＂と問い掛け　）