はじめての、　（〆）　　

おはよお菱川クン。……いや、こんにちはの時間じゃんね。（　欠伸漏らし　）んや、俺も何か一緒にやりたいなーって思ってたし、嬉しかったんだよね。なんてったって折角今年は同居人サンが居てくれてるワケだし、例年通りなら一人だから行事だってなーんもしてなかったワケで。（　相手の提案が嬉しかったことを思い出しつつ、去年相手に出会うまでの自分のことも同時に思い出し。誰とも過ごさない行事など無関心に等しかったと懐かしみながら　）はァ？俺の寝顔なンて何も良いもんじゃないっしょ、（　間抜け面でも晒していただろうかと、少し笑ってしまいながら　）ン、ありがとね。こっちこそ空けちゃってごめん、（　両手ぱしんと合わせ　）


もー、お上手なんだから。荷物ありがと（　冗談に乗ってくれたことが嬉しく、頬に感じた柔らかな感触に自然と表情筋が緩んで。囁かれた言葉に思わず笑みを溢してしまいつつ、美人なのは相手の方だと心の中で返答を。自身のジャケットやバッグを丁寧に扱う相手の仕草を眺めては、まるで執事のようだと感心してしまいつつ、＂菱川クンが俺より後に帰ってきた時はお互い様だかんね＂と、相手が疲れて帰宅した時は同様におもてなしをしようと宣言　／　←　）…わ、酢飯の超良い匂い。（　相手に続いてリビングへ入ると、爽やかな酸味の効いた酢飯の良い香りがして。食欲を刺激する酢飯の香りに歓喜しながら、次いで視界に入ってきたのは色とりどりの具材、丁寧に具材を巻き上げ完成されたのは美味しそうな恵方巻。指し示された今年の方角を相手と確認すればこくこくと頷いて　）そりゃあこんな美味そうなモン見たら恵方巻一択だよね。風呂も捨て難いけど、（　ぐぬぬ　）ここは先に恵方巻を頂くことにしマス。（　疲れた身体に沁みるであろう風呂も捨て難かったものの、こうも美味しそうな恵方巻を見せられては選択肢は一択で。欲に逆らうことはせず、素直に食事を先に摂ることを選んでは、まずは手を洗いに洗面所へ向かい　）

なるほどね、身体怠いのすげェ分かるよ、（　こく　）うん、意外だったかも。シャキッと起きてるイメージ。でも朝弱い菱川クン、俺的にはめちゃくちゃ可愛いけどね（　くすくす　）
へえ、そうなんだ（　相手の弟妹の話に興味があるようで、勝手に想像しつつ楽しげに笑み　）菱川クンはしっかりしてるよーに見えっけど、意外とやんちゃしてそうだもんね。弟クンはお兄ちゃんに似たんかな、なんて（　きちんとした仕草や口調など見れば相手がしっかりしていることは一目瞭然だが、意外と朝に弱いなど意外な一面はたくさんあるのではないか、未だ深く知らないことも沢山あるのであくまで憶測だが、相手の今の印象を交えつつ適当な推理を　／　失礼　）　ン、俺良い子。（　確かにここで拗ねていても相手を困らせるばかりだと素直に撫で受けてはこくりと頷き、余計な一言を添え　／　）