はじめての、　（〆）　　

ん、菱河クンと話してると退屈しねェもん（　楽しそうで、と相手が言ったように、確かに相手と話していると、既に予想の付かないことばかりで気持ちが弾んでしまうことばかりである。肯定の意を示すようにこくりと頷くと、楽しげな笑顔を其方へ向け　）
…当たり前じゃん。そのつもりですけど、（　完全に揶揄われている。頭ではそう理解しつつも余裕のあるような取り繕ったような態度が咄嗟に出来るわけもなく、片眉を上げると挑発に乗るように見栄を張って見せるように、「覚悟しときなよ？」なんて付け足して　／　）
…っ、（　まさか間接キスのようなものをするとは思っていなかったのか、自身が口付けた場所に相手がキスを落とすその光景を見ては予想外のことに何やら愉しげに口角緩め。相手の仕草に対して揶揄うように口を開こうとするもそれは叶わず、流れるような相手の所作に思わず見惚れてしまい。耳に髪を掛けられてから相手と顔が近付くまでの数秒間、相手の顔を見詰めてしまいつつ一体何をされるのかと緊張で僅かに顔を強張らせながらもそれを悟られまいと出来るだけ表情を変えず表情筋に力を入れて。頬へ僅かに触れた柔らかな感触、続けて囁かれるように耳元で呟かれる自分の名前、ハッと我に返れば完全に相手のペースに流されていることに気付いたのか、相手が涼しい顔で眼鏡を掛け直したのを見ては何やら負けじと先程までの自身の驚いたような表情をいつも通りのものに戻そうと　）…ッの、絶対やり返してやる、（　何事も無かったかのような様子の相手を前にしては、完全に遊ばれていることに悔しさを覚えたのか何やら聞こえるか聞こえないか、程度の声量で不満そうに独り言を呟き　／　←　）ン、紅茶ね。任せて（　相手のリクエストに小さく頷くと「んー……とりあえずソファでも座って寛いでてよ、」と言い足し、ダイニングキッチンへ進み出し　）


んん、確かに菱河クンの言う通り。まだまだ出会ったばっかだし、補うには早いよね。（　こくり　）
そう？──それ、すげぇ魅力的。とりあえず話してくうちに知ってけばいーな。そんで、俺のことも知ってもらえたら嬉しい（　にまり　）

ふは、それもそーだね。まァでも俺だって男だし、カッコつけたいわけですから、同居人サンに初っ端から恥ずかしいとこは見せらんねェけど（　くすくす　）
ん、ありがとう。そう言ってもらえてすげェ嬉しい。お互いのペースでゆっくりね、……て言いつつ、今回は本当にすげェ待たせちゃった、ごめん。
うあー……有難いお言葉、さんきゅう菱河クン、（　頭を撫でる相手の掌が心地良く、すり寄るように　）