はじめての、　（〆）　　

でっしょー？そりゃあ運転出来る人は1人でも多い方が良いから……って失礼だなァ、ちゃんと普段から運転してっから、安心して。乗せてもらうのもすげぇ好きだけど、こー見えて、1人でドライブすんのも好きなの。（　如何にも意外そうな反応を見せる相手の反応が面白く、からからと楽しげに笑いながら相手の問いに素直に返答をし。相手に伝えた言葉に嘘は無く、事実休日に1人で好きなところへ車を走らせたりもよくするのだが、相手からそうは見えていないのだろう。何となくそれを感じ取ったのか、緩く首を傾げると「意外？」と短く問い掛け　）
菱河クン、…俺のことすげーガキだと思ってるでしょ（　褒められると当然嫌な気はしないが、先程から子供扱いをされているのではないか、何となく相手のペースに乗せられているような気がすると僅かに不服そうにじとりと相手を見つめて文句を一言　／　）
へぇ、体型維持ね。…ジム通いかァ、（　比較的何事も飽きやすく継続するのが苦手な自分にとっては、継続して何かをする相手が自分とは対照的で、興味をそそられる存在でもあり。ゆっくりと歩きながらもちらりと後ろを見遣れば、持たずとも想像がつく見るからに重そうな荷物を上下させている光景。感心したような反応を示しつつもう一度前に向き直ると、目の前の扉を開ければもうリビングで。ガチャリと扉を開けると2人で暮らすには最適かと思われる広さのリビングで、2LDKとなっている。前述の通り、生活感も無く、テレビやテーブル、ソファ、必要最低限かつシンプルな物が置いてあり　）そうだね、買い揃えてこ。最初のドライブが生活用品買いに行くって、同棲するカップルみてェ（　ドライブ、という単語に自然と頬は緩んでしまいつつも、冗談めかした口調で小さく呟き　）あそこに部屋があんのね。あっち、菱河クンの。（　所謂センターリビング型であるこの部屋には、リビングを挟むような形で個室が2つ。ちらり、示す部屋を見遣るとそちらへ向かって再度歩き始め　）

そりゃあ完璧じゃあつまんねェもん。ドーゾ甘えてください、（　へらり　）だーって硬派な菱河クンがでろでろに甘やかすなんて、そんな相手になってみてェもん（　開き直り　／　←　）ふは、安心して。逃げも隠れもしませーん（　当然、とでも言うように　）
アンタとなら、それも楽しみだなァなんて思ってます。ありがと（　言葉通り期待を含んだような瞳を其方に向け　）

はァい。俺、会話すんの楽しくてぜーんぶ拾っちゃいがちなんだけど気ィつけんね（　けら　）