以下、荒野の旅人シチュ 黄土色に乾いた風が頬を撫でる。 豊穣の地ではきっと地を踏みしめる度に数多の生き物を殺していたのだろうが、今は幾ら地に足を擦り付けたところで在るのはただ砂利と砂のみである。 此処には明確に何をしに来た、という訳では無いが、一先ずは何処か息をつける場所が欲しい。小屋などあれば最高なのだが、ここにもし人が居たとして自分はさぞや変わり者、受け入れてくれるかは怪しい。 ここに来る迄にかなりの労力を費やした。 きっと心が休まるようにと、貴重な水をくっと喉に通した。