誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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(斬鉄「ナイフ」。その言葉は正確でなくとも、赤斗が“黒いアルタイル”の能力について詳細には知らないことを教えてくれた。
鎖は切れた。だがまだ余裕を持てるような状況ではない。手に持つナイフは斬鉄ナイフなどではなく、切れ味を増しただけの少し丈夫なナイフ。相手の鎖を全て断ち切ろうなどとすれば、先に刃こぼれして使い物にならなくなるだろう。
まず「鎖を切れる」ことを牽制に、と思考するも。)
ウッソでしょ!
(鎖の動きをある程度操れるらしいことくらいは調べていた。まさか切れて手元から離れた鎖までが襲い掛かってくるとは思いもよらない。フードの下の表情が引きつる。
間髪入れずに足元に蹴りが飛んでくるのを感じるが、両方を躱すことは不可能と判断する。
蹴りは横一線での足払いではない。どちらの脚を狙ってきているのかに集中する。
ナイフを持っている右腕に鎖が絡みつくのは避けたい。ならば。)
…っつぅ!
(キツいか痛いか、そういった声を漏らし。
自分の前に翳した左腕に鎖が巻き付く。右脚のみに体重を預け、左脚への蹴りの衝撃を受け流す。
蹴られた痛みは感じる。左脚は後ろに振られる。しかしギリギリ動きに支障は出ないだろう。
ここ数年で集中的に鍛えた体幹は伊達ではない。倒れずそのまま右脚をたわめ、更に後ろへ下がる。
着地した左脚は痛むが、力がかかった時に痛みが増したりはしていない。
ならば、と。右腕を庇って鎖が巻き付けられた左腕がどうなっているのか、顔を近づけないように窺う。)
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