奏歌 翔音 2020-08-14 23:09:35 ID:5762b1903 |
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>ターナさん 砂金さん ホテルの方々
「………申し訳ございませぬ…………我は決める事が出来ない…
ターナさんが差し出してくれた手を払いたく無い…
砂金さんの優しさを払い捨てたく無い…
卑怯だと言ってくれても構わない……だけど我はこうする以外考えられないのだ…。
………「我/私」は貴殿らの考えを捨て去りたくない、「正義が差し伸べた手を/悪が拾ってくれて突き放さないでくれた事を」…どうしてそうしたのかを知りたい。
だから「我/私」は「ターナさん/砂金さん」について行きたい………初めての「我/私」という存在の願い…。」
ルミナスはしばらく固まっていた……
己の答えを出せず悩み続けていたのだ。
2人の提案が、対応がルミナスにとっては限りなく嬉しい事だった。
その為どちらかを裏切る選択をしたくなかったのだ…だからルミナスは3つ目の選択肢をとったのだ
──何方にもついて行く、何方の手も取る──
不安定な声とは違い、己の中で1つの答えを出したルミナスは震えながらもしっかりと言葉を発する。
不思議な事にルミナスの言葉は時折重なっていた、「我」と言っている青年の声、「私」と言っている少女の声…それぞれ高さの違う声が重なる度にルミナスの身体が紅い血に包まれる。
全身が液体に包まれると「どぷん」という音と共にその液体の塊が二つに分かれ、やがて人型となる。
そして液体が「ぱしゃり…」と地面に落ちるとそこに居たのは2人の若い容姿をした人物達だった。
片方はホテル内でルミナスの身体が不安定になった時に現れた中の一つ出会った少女の姿、そしてもうひとつは先程までのルミナスよりもかなり若くなったような容姿の少年だった。
【エス・マルム】
「我はマルムを名乗ろう…
我は砂金と共に往く、悪とは何かを知るために。」
【エス・バヌマ】
「私はバヌマを名乗りましょう…
私はターナさんについて行きます、正義とは何かを知り得る為に。」
【マルム・バヌマ】
「「何が正しいのかを知る為に、己の存在理由を証明する為に。
…こんな我々でも「貴殿は/貴方は」は受け入れて「くれるだろうか?/くれますか?」」」
それぞれ容姿も声も違う2人は同じようにそれぞれマルム(悪)とバヌマ(善)を名乗りターナさんと砂金さんに向き直ると口を開いた。
正直に言えばどちらかに着いて行くということは考えられなかった…と言うよりもしたくなかったのだ。
そのような思考があったルミナスは「大狭」によって何度も分裂しかけた思考を利用し「己」を2つに分けたのだ、これが最善の選択だと己で判断した結果であった…。
魔力体であるからこそ…善と悪を知り得ていないからこそふたつある道を何方も歩むことにしたのだ、例え2人から拒絶されようと反対されようと。
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