奏歌 翔音 2020-08-14 23:09:35 ID:5762b1903 |
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>河川敷
氷華:
…だろうな。さっきはこっちも正気じゃなかったとはいえ、殴り合った時にもわかった。一番初めに出会った時よりも、攻撃の全部に"感情"が乗っていた。最初の頃は…何というか、ただ只管"こっちを餌としか見ていない"だけじゃったからな。
似蛭:
いや、それならさっきは別に殴り合いに応じる必要なくない?そこまで分かってんなら我慢してくれたって良いじゃん。
氷華:
バカタレ。おいそれと"はいそうですか"と言って殴られてやるバカが何処にいるんじゃ。大体お前から殴って来たからそれと同じように応じてやったと言ったろうが。……っと、話が逸れたな。知枝の腕が治ったかどうか…だったか。ちょっと待っとれ。
(話を途切られても尚氷華の言い分が癪に障るのか"ぶ~っ…!"と頬を膨らませて視線で訴える似蛭を他所に、氷華はクエさんの言葉で思い出したように、寝そべる知枝の胸部に手を乗せて、自身の魔力を知枝に浸透させて体内の構造把握を始める。"ぽうっ…"と仄かに水色に輝く魔力が知枝の身体―――毛細血管に沿って浸透していき、サーキット状に広がっていく。一通り解析を終えると、知枝の身体から魔力の輝きが失われていき、氷華は知枝から手を離す。)
氷華:
うん。腕の神経にあった魔力の"淀み"は綺麗さっぱり無くなっておるのう。これなら、知枝が患った"触覚障害"とやらも治っとるはずじゃ。
似蛭:
…じゃあ、何でお姉ちゃん目を覚まさないの?
氷華:
そりゃあ、お前――――………。
(そこまで言って、氷華は言葉を詰まらせる。身体の調子や健康自体は、先ほどのクエさんの治癒魔法で回復したはずだ。ならばそこから意識を覚まさないのは……本人の問題としか言えまい。何せ、自分の意思ではないにせよ、"自らの身体から出た魔法"で実の祖母を傷つけ、取り込み、融合してしまった際、精神崩壊を起こすほど錯乱していたのだ。…もしかすると、知枝自身が目を覚ますのを拒んでいるのかもしれない。)
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