奏歌 翔音 2020-08-14 23:09:35 ID:5762b1903 |
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>河川敷
【――――――――――――――"フェイズⅢ"、解放。排―――】
(クロさんが放った魔力弾が真後ろに出現すると、機械悪魔は見向きもせずに右手だけを真後ろに向けて魔力弾を掴み、そのまま握り潰した。その様子は、特段警戒しているわけでもないが念には念を、という、知枝のような慎重さを垣間見せていた。
だがその直後、"フェイズⅢ"を解放した事でそれまで負ったダメージがリセットされ、打ち込まれていた炸裂弾が脇腹で炸裂する。それ自体は大したダメージではないが、不意打ちにも等しい炸裂弾によって、一瞬だけ再生速度に遅延が生じる。その瞬間を見逃さず、似蛭の頭部バイザーが紫紺に発光し、その身を起こした。)
似蛭:
【結構堪えるなぁ……けど、今ので"分かった"ッ!!】
【――――――ッ!?】
("分かった" という言葉と同時に、似蛭の身体は紫電に乗せて爆発的な高速移動で一瞬にして機械悪魔の目の前に現れると、右腕に紫電を纏わせる。バチバチと音を立てながら似蛭の右腕を覆う紫電。その力には確かに"滅亡者"由来の"滅亡の力"が籠められており、機械悪魔のがら空きとなった腹に突き刺した。瞬間、似蛭の右腕に纏っていた紫電―――滅亡の力が機械悪魔の全身へと広がっていく。
……体内構造が見えるモノならば、見えるだろうか。似蛭が突き刺した右腕から紫電が伝播し、その最奥へと侵食して、機械悪魔のコア―――知枝と氷華を融合させているバインドアンカーの"枝"を"滅亡"させたのだ。
強制融合を果たすための結合コアを滅亡された機械悪魔から右腕を引き抜き、巻き込まれると判断した似蛭は、上空から落ちてきたゴレンさんの爆撃を、両腕を上空に翳して"紫電"を放ち、全て迎撃して見せる。
……その直後、結合を維持するための手段を失った機械悪魔は全身から"バチバチ"と漏電を起こし、その身体も維持できなくなりドロドロの流体金属へと形を崩していく。やがて流体金属が消滅していくと―――中から、今の今までずっと知枝を守るようにして抱きかかえていた氷華が地面に倒れ伏したのだった。)
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