サボり魔の無気力君 2020-08-14 20:09:40 |
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>>幸くん
(へらりと緩い笑みを向けた後の緩い言葉に思わず苦笑してしまった。ファーストキスが甘い、なんて何時からそんな話が出てきたのだろうか。誰が発信したのかも分からないままに皆イチゴの味、だのレモンの味、だのとぼやいているが本当かどうかは定かではない。実際先程の間接キスは苺の味がしたが、あれは苺ジュースだったからに他ならない。他の味がしたら逆に不信感を覚えてしまう。なんて真面目に考えている自分がバカらしくてやめだやめだ、と考えることを放棄しようとした直後、小首を傾げながら心配そうに此方の顔を覗き込む彼の姿が目に映って。おずおずとした様子で尋ねてくる彼、そんな風に言われたら嫌だったとしても'嫌だ'なんて言えない。それに自分が不快感を感じた訳ではなく相手が無頓着過ぎることに少しだけ呆れていただけ。ふう、と息を吐いて彼と目を合わせれば、「ダメじゃないわよ、…こんな言い方をしたら私が幸くんに恋してるみたいだけど」、と紡いで。その姿は何時もの余裕のある、大人びた雰囲気に戻っていて。)
「グルメなのようちの弟、…なーんてね。子供には大体オムライスがウケるのよ」
(以前弟の友達が家に遊びに来たことがあったが、その小さな少年少女達もオムライスを要求してきた覚えがある。ハンバーグやオムライスはやはり定番なのだろう、とその時も思ったが。そういえばうちの妹もませてはいるもののオムライスを食べる時は普通の、一般的な子供と変わらない。もしかしたらハンバーグやオムライスには魔法がかかっているのかもしれない、逆にほうれん草や人参には悪い魔法がかかっているのかもしれない。馬鹿げた考えだとも思ったが案外間違ってもないのかも、と考え直しつつ彼の可愛らしい笑みに心臓を鷲掴みにされたような気がして。これで断る先輩は先輩じゃない、と何故か使命感のようなものを感じながら「…ふふ、任せなさい。なんて、あまり期待されても困るけど」と苦笑を見せながら紡いで。)
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