麗奈:(家に戻るなりすぐに台所へ向かい、卵と牛乳を準備し、白米をケチャップで味付けしグリーンピースとコーンを混ぜていき)
美月は、部屋で一休みしようと思い、座布団を枕にして、寝転がった。
美月)ふぅ。
麗奈:(卵の上にケチャップで顔を書いてできあがり)できたよー
美月)出来たようだな。広間に行くか。
美月は部屋を出た。座敷童は、美月の横を走って大広間に向かっていた。
座敷童)晩御飯、晩御飯!
座敷童)いい匂い
座敷童)麗奈の晩御飯だ!
麗奈:どうぞ。ゆっくり食べてね(テーブルに並べていき)
美月)最初は座敷童の分まで用意するのが大変そうに見えたが、すっかり慣れたようだな。
美月)その前に、顔が書いてあるが・・・これは麗奈か?
美月)そうか、とても可愛らしいな。食べるのが勿体ない。
美月)まぁ、そう言うなら食べるが。座敷童は、もう食べてるし。
美月は、周りを見た。座敷童は顔から豪快に食べていた。
全座敷童)美味しい~
美月)ああ、本当に美味しいよ。
麗奈:良かった! ところで座敷童たち、口にいっぱいついてるよ
美月)麗奈は世話好きだな。よく今剣とかの世話もしている。もしかして、子供と触れ合うのが好きなのか?
麗奈:うーん、確か小さい女の子がいたような気がする…(前の家のことを思い出せず)
美月)良ければ、今度短刀が育てている畑の手伝いでもしてみたらどうだ?もうすぐ冬も終わる。私達がいつも耕している畑とはまた別の畑があるんだ。
座敷童)僕らはこっちの方が好き!
座敷童は麗奈と美月にぎゅうっと抱きついた。
美月)座敷童は麗奈が大好きだからな。そして、私も。
美月)ああ、また帰ってくるからな。
全座敷童)行ってらっしゃい!
美月)ちょうど朝か。皆が起き始めるだろうな。
美月は時間を見て言った。
今剣:おはようございます。これからみずやりにいくんです
麗奈:野菜は育った?
今剣:はい。燭台切さんもおおよろこびになるぐらいです
美月)麗奈、ここが短刀が世話をしている畑だ。短刀は鍬など重くて持てない物もいるからな。だからと言って、短刀を畑当番から外しても、我々太刀達に、疲労が溜まる。そういうわけで、短刀には短刀の畑を作ったのだ。毎年、よく実っている。
五虎退:おはようございます
小虎:にゃ
麗奈:おはよう。私も手伝うね
五虎退:ありがとうございます(採れたての野菜を運んでいき)
美月)たまに手伝ってみたらどうだ?美月は麗奈に言った。
間違えた。こっちが本文
美月)今回もよく実ってるなぁ。麗奈、たまに手伝ってみたらどうだ?
美月は麗奈に聞いた。
麗奈:うん(野菜を獲っていき)
五虎退:今年も豊作です
小虎:(土の上で寝て)
美月)小虎、ここで寝たら汚れるぞ?
美月が抱きかかえようとした時、
小狐丸)美月殿ー!今日は私と畑当番ですよー!
小狐丸が、縁側から美月に声をかけた。美月はそれが聞こえ
美月)わ、分かった。すまない、直ぐに行かないと。じゃないとまた噛まれるんでな。
美月は、急いで畑へと向かった。
美月)おまたせ。麗奈を短刀の畑に案内してたんだ。
小狐丸)そうでしたか。まぁ、私達はこっちをやりましょう。
美月)あいわかった。
美月は、小狐丸と鍬で土を耕していった。
小狐丸)麗奈殿は、今後短刀の畑を手伝うのですか?
美月)そうだと思うよ。流石に麗奈もこっちは難しいと思うよ。何せ、広いからな。
麗奈:量が多いね
五虎退:たくさん獲れます
麗奈:あ、五虎退顔に土ついてる(払って)
五虎退:あ、ありがとうございます
美月)楽しそうで良かったよ。
小狐丸)そうですね。
麗奈:光忠~、野菜ここに置いておくねぇ~
和泉守:よお、麗奈。今日は俺が飯当番なんだ
麗奈:あれ、和泉守? 堀川は?
和泉守:掃除当番だ。俺の作る飯、楽しみにしてろよ
麗奈:ありがとう
燭台切)麗奈ちゃん、ありがとう。和泉守くん、早速用意しよう。
燭台切は野菜を受け取りながら和泉守に言った。その頃、畑では
美月)動けば、暖かくなるとは言うけど、風はまだ冷たいね。
小狐丸)そうですか?そう冷たくないと思いますけど・・」
美月)君とは髪の質が違うんでね。羨ましいよ。そのモフモフの毛。
和泉守:おう(ロールキャベツを作るが、初めてのため四苦八苦して)
燭台切)和泉守くん、少しタネを小さくしようか。あと、キャベツで巻いたら、このパスタで葉を閉じてね。ちょうどいい長さにしておくよ。
燭台切は、ロールキャベツを閉じるためのパスタを短く切った。
中の人)爪楊枝を使うところもあるけど、パスタの麺の方が一緒に食べれて、楽らしい。でも、家は爪楊枝。
和泉守:たねを小さく…(小さく作ってキャベツをパスタで閉じ)
中の人:うちはそもそもロールキャベツを作らない、ガーン
燭台切)うん、いい感じだよ。その調子でやっていこう。
燭台切は、笑って言った。
中の人)てっきり作っているのかと。一番レシピが思い浮かぶのは、好きな好物や、最近食べたメインとかだと思ったから。
和泉守:お前の料理上手は羨ましいぜ
中の人:実家でならあるけど
燭台切)刀の時から、興味はあったからね。顕現して、出来た喜びの一つだよ。でも、最初は覚えるのは大変だったかな。僕らはいつも出来上がりのものしか見てなかったからね。
中の人)私もたまにしか食べませんよ。最近は食べないけど。
和泉守:自分の手で作った飯をうまいって言ってくれる奴らがいて、嬉しいぜ
燭台切)僕も同じ気持ちだよ。
燭台切は炊飯器を開けてご飯を入れ始めた。
その頃、畑では
美月)終わったー、やっぱり広い。
小狐丸)お疲れ様です。これから、色々植えますからね。今から植えれば、、また夏野菜もたくさん収穫できますよ。
五虎退:終わりましたね
今剣:あせかいちゃいました
麗奈:お疲れ様。そろそろご飯だろうから食べよう
小狐丸)そろそろ戻りましょう。内番は終わりましたから。
美月)そうだな。もうすぐ朝餉だ。
和泉守:飯だぞ~
堀川:兼さん、お疲れ。美味しそうな匂いするね
美月)手を洗って向かうよ。
小狐丸)いい具合にお腹が空きました。
和泉守:ほらよ(ご飯を渡して)
堀川:ありがとう
麗奈:おはようー
和泉守:麗奈じゃねえか、おはよう。朝は俺のロールキャベツだぜ
麗奈:美味しそうだね。ありがとう
美月)朝餉は・・・朝からロールキャベツとは、豪勢だね。
美月は嬉しそうに言った。
小狐丸)美味しそうです。
和泉守:ゆっくり食えよ
麗奈:まあ、美味しい!
堀川:すごいよ、兼さん!
燭台切)上手にキャベツ巻けてるよ。タネ少し減らして正解だったね。
麗奈:和泉守がこんな手の込んだもの作るの珍しい
和泉守:(そりゃ、愛するお前のためだろう)
麗奈:あら、もう食べちゃった(あっという間になくなってしまい)
小狐丸)美味しくて、箸が止まってませんでしたからね。
美月)物凄い勢いで食べていたぞ。
鶴丸)逆に喉を詰めないか心配だったが、詰めずに食べ切るなんてな。こりゃ、驚きだ。
麗奈:次楽しみにしてるね
和泉守:ありがとよ(デレッ)
美月)さてと、内番も終わってるし、部屋でゆっくりするとしよう。
美月は、立ち上がって自室に向かった。
美月)春の風景を見ながら、ゆるりと行こう。
美月は、麗奈に笑い背中に手を添えた。
美月)春はやっぱり、桜だな。桜の木の下で飲む酒は格別だ。
美月)確かに儚いが、見方を変えれば、その儚く散りゆく姿も美しいぞ。
美月)えっ?どこだ。
美月は、はらおうとするが、見当違いのところを触っている。
麗奈:あそこ、カラフルな花がいっぱい咲いてる!(梅にツツジ、藤など)
美月)春は色々な花が花開く季節だからな。どれも美しいじゃないか。
美月)こうか?
美月は袖を口元にあてて、目を細めて笑った。
美月)よし、私もそれで撮ってやろう。貸してもらえるか?
美月は、ワクワクしながら、言った。
美月)こっち見てくれ。
美月もスマホを麗奈に向けた。
美月は麗奈にスマホを向けシャッターボタンを押した。しかし、長押しした為、麗奈を連写してしまった。
美月)多分、撮れたと思うぞ。
麗奈:今、連写の音聞こえたんだけど?(スマホを確認すると、案の定10枚も連写されていて)
美月)見様見真似(みようみまね)でやってみたんだが、失敗だったか?
美月)麗奈は、1枚撮れるのに、何故私は10枚も・・・?
麗奈:連写だよ。ボタンを長押しすると連写する仕組みなの
美月)そうなのか?
美月は、上手く使いこなせずしゅんとしていたが、麗奈の言葉を聞いて、首を傾げた。
美月)本当に何もかも美しいな。
美月達が花を見て、楽しんでると
太鼓鐘)あっ、麗奈、美月!
太鼓鐘)みっちゃんに、桜の花の写真撮ってくるように言われてさ。二人もか?
美月)春の草花を見て楽しんでいたところだ。
太鼓鐘はキメ顔でポーズをした。
太鼓鐘)これでどうだ?
麗奈:かっこいいじゃない。モデルみたいだわ。美月も一緒に入って!
美月)えっ!でも私はそこまでポーズも知らぬ故に・・・
太鼓鐘)いいから。俺と同じポーズするんだ。
美月)こ、こうか?
太鼓鐘)すげー!美月も様になってるぜ。
美月)太鼓鐘の方こそ。
燭台切)貞ちゃんはかっこいいが似合うよ。
太鼓鐘)みっちゃん!
燭台切)お帰り。色々撮れた?
太鼓鐘)沢山撮れたぜ。
燭台切)貞ちゃんが見えたから、帰ってきたと思ってね。
美月)桜の写真を撮ったと言っていたが、何故だ?
燭台切)折角だから、桜の形のお菓子を作りたくて撮ってもらったんだ。明日から、おやつに出ると思うから、楽しみにしてて。今日はもう作っちゃったから。
麗奈:やったー!
大倶利伽羅:麗奈、ちょっといいか?(花畑まで連れていき)
麗奈:どうしたの?
太鼓鐘)今日のおやつは何だ?
燭台切)今日はドーナツだよ。
美月)ドーナツ!
美月はドーナツと聞いて、目を輝かせた。
燭台切)美月ちゃん、ドーナツ好きだもんね。
大倶利伽羅:(麗奈の髪を花で結い)
麗奈:意外に器用なところがあるんだね
大倶利伽羅:(こっそり練習していた)
太鼓鐘)俺も好きだ。みっちゃんの料理は何でも美味いから全部好きだぜ。
三日月)麗奈!
小狐丸)随分と愛らしいですね。
燭台切)可愛いね。
今剣:麗奈さん、かわいいです
麗奈:大倶利伽羅に結ってもらったの
大倶利伽羅:ふん
燭台切)伽羅ちゃん、器用だね。
美月)良かったなぁ、麗奈。
太鼓鐘)似合ってるぞ。
今剣:麗奈さんのかみをゆいたいってぼくたちにいったんですものね
大倶利伽羅:……
麗奈:あら、そうなんだ。ありがとう(ニコニコ)
燭台切)だから、作ったんだね。
燭台切は、麗奈を見ながら言った。すると
美月)麗奈、これも出来たぞ。
美月)見ての通り、指輪だ。
美月は、麗奈の薬指に花の指輪をはめた。
美月)似合っているよ。
麗奈:か、かわいい/// ありがとう///
今剣:麗奈さん、キレイです!
美月)花の飾りをつけているし、まさに花嫁か?花だけに。
美月は笑った。
麗奈:ふふっ、あははは///
石切丸:笑っている顔も花みたいだね
三日月)話にも花が咲きそうだ。
小狐丸)いやはや、全くですな。
大倶利伽羅:…(麗奈の姿を見て照れてるのか背中向けて)
燭台切)伽羅ちゃん、大丈夫?
鶴丸)伽羅坊、照れてるのか?
太鼓鐘)伽羅、麗奈を見なくていいのか?
大倶利伽羅:……
麗奈:大倶利伽羅?
大倶利伽羅:馴れ合うつもりはない(目を合わせられてない)
麗奈:大倶利伽羅?(前に来て)
大倶利伽羅:…キレイだ(ボソっ)
鶴丸)もっと、はっきり言わねぇと伝わらねぇぞ。伽羅坊。
大倶利伽羅:…
麗奈:ふふっ、無理に言わなくて大丈夫よ? ありがとう
大倶利伽羅:(満更でもなさそう)
美月)本当によく似合っているな。枯れてしまうのが本当に残念だ。
麗奈:期間限定だね。美月、一本あげる(美月の髪に花を指して)
美月)おや、これはありがとう。なら、麗奈には枯れない桜を贈ろう。
美月は、桜の飾りがついた簪で、麗奈の髪を結った。
麗奈:まあ、綺麗///
今剣:もっときれいになりました
鶴丸)可愛い子は着飾って当然だ。
三日月)愛いのう。
小狐丸)愛らしいですね。
小虎:にゃ
麗奈:あら、君たちも褒めてくれてるの?(抱っこして)
小虎:にゃ~
小虎:にゃ(みんなにもすりすりしたり甘えてお腹見せて)
麗奈:よしよし(ぎゅう)
小虎:にゃ
今剣:ぼくも麗奈さんにあいされたいです
麗奈:えっと?
美月)抱きしめてあげたらどうだ?ぎゅうは基本の愛情表現と言うしな。触れ合いでもある。
麗奈:うん(ぎゅう)
今剣:えへへぇ~(花が舞って)
三日月)喜んでいるな。今剣よ。
小狐丸)よほど嬉しいのでしょう。
太鼓鐘)じゃあ、俺は抱き着く。
太鼓鐘は麗奈に抱きついた。
太鼓鐘)なら、俺達の方がいつもそうだぞ。
三日月)そうだな。体温の低い俺達も、激しく体を動かせば、汗はかく。しかし、それさえも気付かず、己を振るうのは、楽しいぞ。
三日月はにこやかに言う。
美月)平和が一番と願うものもいるが・・・我々は刀、敵を切る武器だ。そう思ってしまうのは、刀の性なのだろう。
麗奈:さ、貞、そろそろ離れて、ね?
大倶利伽羅:…(じー)
太鼓鐘)何で?いつも美月と一緒だろ?たまには一緒にいてくれよ。
麗奈:…///
今剣:麗奈さん、太鼓鐘だってだんなさまのひとりですよ?
美月)でも、いいのではないか?皆、旦那なのだろう?
麗奈:私が赤ちゃんだったらもっとぎゅーしやすかったかもよ?
五虎退:麗奈さんが赤ちゃんになっちゃったら僕たち大変だよ
美月)そうだな。それに、名を呼んでもらえなくなるから、寂しい。
三日月)美月の言うとおりだ。俺達は名付けられた物だからな。
大倶利伽羅:赤ん坊はまともにしゃべれないし少しの風邪で命に関わったりするからな(赤ちゃんになった時に懲りている)
太鼓鐘は大倶利伽羅に気づき
太鼓鐘)麗奈、次は伽羅が相手してほしいってさ。
太鼓鐘は麗奈を大倶利伽羅に渡した。
大倶利伽羅:…(恋人同士がするようにぎゅうして)
麗奈:大倶利伽羅にもこんな一面あるんだね///
燭台切)伽羅ちゃん、嬉しそうだね。
燭台切は、笑って言った。
大倶利伽羅:麗奈、ここは人が多いからあっち行くぞ
麗奈:?(自室まで連れて行かれ)
今剣:あー、大倶利伽羅さんったら、てれやなんですかね?
燭台切)あまり、そういうのを見せないだけだよ。本当は優しいし、仲間思いだもん。