トピ主 2020-08-11 16:32:18 |
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美月)なるほど。
美月は、ニコッと笑ったが、袖で口元を隠すと
美月)まぁ、本当のところは、男の私にまだ慣れてないからなのだろう。
と、意地悪っぽく言った。
美月)今でも観光の名所として有名な場所だな。あいわかった。
美月は笑った。そして、
美月)では、目を閉じて想像してくれよ。
美月は麗奈の手を握って言った。
美月)(やはり、一番最初に想像するのはあの鳥居か。立派だものなぁ)
美月は、そう思いながら麗奈の想像通りの景色を作っていった。
中の人)行ったことあるよ。
美月)写真では印象的に残る場所や、その場所の名物などを重点的に映すからな。
美月は景色を見て言った。
美月)折角だから、先に狐面でも買うか?金は必要ない。
中の人)狐面買いました。千本鳥居は全部出来ませんでしたが、途中までは通りましたよ。確か狐面が売っている所ぐらいまでです。
美月)じゃあ、先にそこに行こう。
美月は立ち上がり、麗奈に手を差し伸べた。
中の人)稲荷も買いました。市販の稲荷と伏見の稲荷は全然味が違うんですよ。狐面はどんな狐面ですか?色々ありましたので、少し悩みました。
麗奈:(手を繋いで歩き)
中の人:私はせんべいを試食しました。ビスケットみたいでカリカリしててうまかったです(せんべいだったかも忘れちゃったけど)
美月)ここだ。色違いもあって多彩だな。
美月は、面を見ながら言った。
中の人)それ買ったかも。家で家族全員で美味しいってめちゃ好評したの覚えてる。でもクッキーとせんべいだったかは私も忘れたな。
美月)しかし、これだと近づきたくても狐の面の口が当たる前に進めんな。まぁ、その場合、狐同士の口吸いになるが・・・
美月はクスッと笑った。
美月)千本鳥居を通る途中にいくつか参拝出来る場所がある。その一つだな。一つ一つ参拝していくか?
美月は麗奈に聞いた。
中の人)そこ行ったわ。そこまで行って、戻ったの覚えてる。
美月)なら、一つ一つ参拝していくか。
美月は、クスッと笑った。
中の人)私は、お賽銭入れて参拝したよ。全部通らないけど、ちゃんと通ったという思いで。いつかは全部通りたいと思ってるよ。
美月)まぁ、そうだが景色が変わっていくのは楽しいぞ。一つ一つ通るたびに景色が変わる。景色を楽しめば、ゴールなんてすぐだ。
美月は、楽しそうに言う。
中の人)勿論、お稲荷さんも買いました。
美月)なら、行こう。
美月は、麗奈の背に手を添えた。
中の人)麗奈さん、分かりづらかったかもしれませんが、千本鳥居はほぼ一周していて、途中で折り返す場所があります。なので、美月の先に行くというのは、違う道ではないので、安心してください。
美月)実際に来た道と別の道で元の場所に戻るのも不思議なものだな。ここを出たら、私達が入って行った方とさほど離れておらん。
美月は、鳥居を通りながら言った。
美月)(ギクッ)こ、怖いわけないだろう。私は、これでも神だぞ。神が霊を怖がるなんてあるわけないじゃないか。ただ、私達は、霊力を使い、敵と戦う。時間遡行軍も同じく霊力で戦い、実体を守っているようなものだから、実体のないものを倒せるのかなぁって思っただけだ。
美月は、誤魔化した。
美月)さて、一周したはいいが、この後はどうするか?ここには、そこでしか売っていない稲荷ずしがあるほど、稲荷ずしが有名だ。食ってくか?
美月)何なら、出そうか?そのくらい出来るぞ。美月は、ニッと笑った。
中の人)おでんの具のお餅を油揚げで包むやつはうちのおばあちゃんは作ってた。
美月)何なら、出そうか?そのくらい出来るぞ。美月は、ニッと笑った。
中の人)おでんの具のお餅を油揚げで包むやつはうちのおばあちゃんは作ってた。
美月)簡単だ。
美月は、眼の前に手をかざすと、少しずつ人が現れ、少しずつ賑わいが出て来た。
美月)ほらな。
美月は、フッと笑った。
中の人)おでんの具の一つだから稲荷とは別だよ。
麗奈:商店街って賑わってなんぼだよ。2人だけっていうのはちょっとホラーな感じがあって怖かった
中の人:そうなんですね。教えてくれてありがとうございます
美月)確かに二人だけというのは寂しいな。ここは賑わいがあってこその場所だからな。
美月は、笑って言った。
中の人)あまり食べませんか?
美月)賑わいを見るだけでも気持ちは確かに上を向くな。
美月も様子を見ながら言った。
中の人)方言と同じ感じかもしれませんね。
美月)一日で全ては行けんが、一日一日に分けていけば、行けるだろうな。あぁ、そうだ。今行った金閣寺と銀閣寺・・・金閣寺はちゃんと金色なのに、何故銀閣寺は銀じゃないか知っているか?
麗奈:諸説あるけど、銀箔を貼る前に「銀箔を貼る予定だったのが義政が途中で没した」「財政上の理由で銀箔を貼る事ができなかった」「外壁の漆が光の反射で銀色に見える」「義政は茶道を趣味とし禅宗文化に帰依したわびさび人で創建当初から銀箔を貼る計画はしていなかった」ってあるけど真相はわからないんだよね?
美月)だが、昔はそうでもしないと天下もとれなかった。その為に少なからず、犠牲は必要だったのだろう。
美月は、寂しそうに言った。そして、悔しそうな声で
美月)たとえ、それが酷なことでも・・・
と、言った。
麗奈:徳川家康。あの人は今川の人質から江戸幕府までずっと戦の中で生きてきた。彼が生きてこれたのは、かつての主たちがどんな失敗をしてどう成功させたのかを一番近くで見ていたから、戦国時代を終わらせ幕府も開くことができた
美月)なるほど、失敗を重ねてこそ得るものがある。失敗すればするほど、それは成功から遠ざかるわけではなく、近づいている証拠。成功した時、成したいことを見事に成し遂げた。ならば、今までの失敗も意味があるというわけか。
美月はフッと笑った。そして
美月)人の子はその時代に生きていなかったのに、歴史を知り、そこまで考えられるとは、博識だな。私は、その頃は、刀をしまう箱の中でずっと眠っていたよ。
美月)出来たようだな。広間に行くか。
美月は部屋を出た。座敷童は、美月の横を走って大広間に向かっていた。
座敷童)晩御飯、晩御飯!
座敷童)いい匂い
座敷童)麗奈の晩御飯だ!
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