貴方と一緒なら　〆

　


――っ、た…炭次郎。ごめんね、遅くなっちゃった…

（人混みの向こう側、約束していた待ち合わせ場所に佇む見慣れた姿を視認すれば、踵を鳴らしながら早足に距離を詰めていく。傍に寄れば足を進めていたスピードを緩め、上がった息を整えながらまずは謝罪の言葉をひとつ。そして、「少し準備に手間取って」と気まずそうに自身の格好を見下ろした。何時もの隊服の代わりに身に纏っているのは、女学生が着るであろう袴。薄紫色の蝶が描かれた其れは何処からか彼とのお出掛けを聞きつけたらしい蝶屋敷の三人娘らに着つけられたもの。普段なら横に結わえられた髪も今は頭上にお団子のように纏められていた。不安げに瞳を揺らしながらちらりと視線を向けて口元に袖を寄せながら首を傾げ、）

…どう、かな。



（　／　　かしこまりました…！！初回文もありがとうございます。全然問題ないですよ…！！現時点でご相談することがないようでしたら今はいったんこれで背後は下がらせてもらいますね　）