とある吸血鬼。 2020-08-01 18:29:57 |
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さ、何も知らない俺だけれど、すこーしばかり説明するから、興味があったら読んでおくれよ。
此処はキミ達が暮らしている現実世界の認識を遥かに超えてるらしい。
キミ達の世界には、吸血鬼って存在するかい?
きっと絵本の世界であったり、それこそ“存在しない”んじゃないの? きっと人間しか存在してないだろ。
__やっぱりな。
俺のがいる世界にはその吸血鬼が存在してる。しかも、“人間の見世物として”。
おかしな話だろう?吸血鬼の俺達が人間の見世物になっているなんて。支配されてるのは俺たちの方さ。
傷が一瞬で治ったり、爪が伸びたり、その他にも個々の能力があるから、其れを人間に見せて高い見物料を貰うのさ。
ただの金儲けの為に使われてる感半端ないよね、そう思うだろう?
まあ、俺は能力も何も無いから、刃物でぶっ刺されて傷の治りを見せる為だけのものなんだけどね?
中には吸血鬼が苦手な“ニンニクのエキス”をぶっ掛けられて消されたやつも居たなあ…人間共はゲラゲラ笑ってたっけ。 満足そうにキミ達の世界に戻っては、また懲りずに見に来てたなぁ…。
この“ショータイム”が始まるのは、日が落ち世界が暗闇に包まれる頃…。
そんな、見世物にしか扱われない吸血鬼と、吸血鬼を支配する人間のお話。
・少々お待ち下さい…。
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