リリィ 2020-07-23 19:53:15 |
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恵人さん×穂乃花のss ~出会い編~
これは、俺が七歳で七種くんが四歳の頃の話。春の五月頃に俺の家から一番近くの公園で、俺と七種くんは出会ったんだ!
穂乃花「…。」
公園の隅にある、木のおかげで少しだけ涼しく感じる事が出来るベンチ。そこに、黒髪で長袖のワンピースの少女…七種くんはいた。七種くんはぱっと見て二歳三歳くらいの、とても小さな少女だった。でも穂乃花は子供らしく遊具とかで遊ぶわけではなく、笑顔で公園を走り回るわけでもなく、ただ一人で…ぽつんとそこに座っていた。でもあまりにも動かなかったので、俺は具合が悪いのかなと思い声を掛けようと近付く事にした。
恵人「おーい!!大丈夫かー!?」
と、大声を上げながら俺は七種くんに近付く。そしてその少女…七種くんは、まるで幽霊でも見たような瞳で俺を見る。するとまもなく、逃げ出してしまう。って言っても少し遠めのすべり台の所まで行ってちょうど見えなくなるように隠れただけだったから、すぐ捕まえる事が出来たけど。そして七種くんは、俺を見る。完全に怯えきっていて、警戒心丸出しだったけど。そして俺はとりあえず、七種くんを安心させる事にした。
恵人「そんなに怖がらなくても…俺はヒーローなんだ!だから、怖がる事はない!」
穂乃花「ヒー…ロー…?」
俺がそう言うと、七種くんは首をかしげてそうぽそぼそと呟く。まだ警戒心は解けてないみたいだったが…そこで俺は、諦めずに続けて名前を名乗ってみる事にした。話せば少しでも警戒心が解けると思ったから。
恵人「ところで、お前の名前はなんだ!?俺は大海原 恵人!」
穂乃花「ほ、ほのは…穂乃花…七種 穂乃花…」
恵人「じゃあ、七種くんだな!よろしく!七種くん!」
七種 穂乃花と名乗る少女…七種くんはもじもじしながらもそう言って、また顔をうつむかせた。そして悲しげに笑ってみせる。俺は笑顔でよろしくと言ったが、内心心配だった。七種くんの警戒心はいつ解けるのか、七種くんと仲良くなれるのか、そもそもどうして七種くんはこんなにも悲しげなのか、そんな事で頭がいっぱいになった。そしてまもなく、七種くんは話し出す。
穂乃花「大海原さん…よ、よろしく…おねがい…します…」
そう言って、七種くんは礼儀正しくお辞儀をする。そんなに礼儀正しくしなくていいのになと思いつつも、俺は笑顔でいた。
恵人「じゃあ、今日から友達だな!」
穂乃花「うぇっ…うぇ~~~~~っ!?!?と、ととと…ともとも…ともだちっ!?!?いや、でもなんというか…その…ほのは…」
俺は内心思った。こういう感じで少しずつ少しずつ七種くんと距離を詰めていけば、七種くんの心をいつかは開けるのではないかと。時間は掛かるかもしれないし、もしかしたら喧嘩をしてしまう事もあるかもしれない。でも、俺はどうしても…七種くんともっと仲良くなりたかった。助ける事が出来れば助けたかった。ヒーローだから。だから俺は七種くんの友達に…七種くんと仲良くする事に決めた。
恵人「よろしくな!七種くん!」
穂乃花「え、えっと…でもほの…」
にかっと笑顔で俺はそう言うと、七種くんは何か言いたげな表情になった。そして俺は、こう言った。
恵人「七種くん。何があったかとかはよく知らないけど、俺にいつでも相談していいんだからな!俺は七種くんの友達だから。いつでも俺が…ヒーローが助けるから、安心していいんだぞ!」
目を丸くして、七種くんは俺を見つめる。それも不思議そうに。だから俺は優しく微笑んで、七種くんの頭を優しく撫でてみせる。これからは俺がついてるから、もう大丈夫とだいう意味を込めて。
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