清廉高校　(　3L　)　

>57 篝

あっ、篝じゃん。こんなとこで何してんの？
( 授業が終わるチャイムは解放の合図。紙パックのジュースを片手に廊下をふらふら歩いていれば、見掛けたのは後輩の姿で。空いた手を軽く上げて存在を知らせつつ名前を呼んでみる。話を聞いてなかったとて、話し掛けていることさえわかれば大丈夫だろ、と楽観的で。「一年のうちからサボりとはやるなー、お前！」ふざけた調子で肩を組んでみることは、彼女にとって迷惑と捉えられているだろうか。そんな風に考えが及ぶ筈もなく、へらりと笑うのは通常運転。「もし赤点ヤバかったら言えよー？先輩様が教えてやっから」後輩の役に立ちたい。というか先輩風を吹かせたい。頼りがいのある格好良い先輩に見られようと、自分の胸をどんと叩いてみせ )

絡みにきたぞー！あっそうだ。パーソナルスペース、つうの？近いの嫌だったらちゃんと拒否しろよ。さすがの俺でも無理矢理引っ付くのは好まないからな、うん。


>61 徹

いや、さすがにそれは申し訳ねーって。あいつが悪いだけだからな。
( 廊下に暫く立ち尽くしてはいたものの、他の人を巻き込もうとしていたわけではない。食べ物の恨みが怖いといっても、人のものを奪う程飢えてはいない筈であり。半ば押し付けられたような形で渡されたパンを丁重に返しつつ、「いーよ、俺はいつも食べてるし。あんまり買えないんだから、お前が食えよ」と。ほくほく顔で此方に焼きそばパンを見せびらかしてくる友人にじとりとした視線を向けながらびしりと指差し。友人に一切の責任を負わせておき、彼へと焼きそばパンを勧めて )