■ 魔法使いと黒い獣 【置、途中参加歓迎】

■ 魔法使いと黒い獣 【置、途中参加歓迎】

ミッドナイトブルー  2020-06-01 18:12:20 
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 霧靄に包まれた朝露の滴、冴え冴えとした満月の夜、暖炉で最後に爆ぜた火花。そうした美しいものの側で産まれた赤子は、精霊から『祝福』を授けられた。
 ──夜闇に煌めく『瞳』と、人の身に余る『魔力』を。



(なぜ、ナゼ、何故! 俺たちは同じ筈だ。人間と共にあることなんて、できるはずがない。グルグルと目眩と吐き気と、頭痛がした。どうして誰も分かってくれない。俺たちはどうやったって孤独で、惨めで、虚しい生き物で、人間を下して上に立つことも容易い魔法の力だってあるのに! 付き合いきれないと同胞が離れていく度に、男の心は悲鳴を上げた。小さな塵屑でも積み上がれば山となるように、それは男の心を真っ黒に染め上げていく。もうどのくらい飲んだのかわからない酒瓶を手から転がして、どこかの汚い路地裏に寝転がった。ぶるりと身体が冷えるような心地がする。寒さに耐えかねて上着を抱き寄せるが、それは身の内から来る冷たさのようで効果は薄い。胸の中は怒りと疑心と侮蔑で燃え盛るような気持ちなのに、身体はすっと冷えて、自分が自分ではなくなるような心地がする。ぱきん、ぱきんと耳の奥で何かが割れるような音がする。なんだか、──なんだか男には何もかもどうでも良くなった。体を動かすことも億劫で、視線を彷徨わせるぐらいしか気力がない。ぱきん。転がった酒瓶を追いかける目が、程なくして自分自身の異常を捉えた。黒い濁った大きな鱗が手を覆っている。ぱきん。と、音が鳴るたびに鱗は広がって男を包み隠そうとする。冷たい、寒い、熱い。けど、男にはどうでもよかった。最後に男は自分の足元へ視線を彷徨わせ、「あー、靴……汚れてんなァ、」それが心底惜しいとでもいうように目を閉じた。……ぱきん。)

 斯くして『大きな黒い獣』は出来上がった。


>合図までお静かに。

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  • No.38 by ウィル  2020-06-14 22:56:56 

>レイン

(踏み出そうとした足を止め、何かあるのかと小首を傾げ注目する。相手の操る水と小さな光で蕾が綺麗な花を咲かせていく光景に目を丸くしてはこんなことができるのかと感心して。自分とは違ったアプローチの仕方、また直後の相手の発言からわざわざ今自分に魔法を使ってみせてくれたことの意図を理解しては落ち込んだ気持ちが一瞬で晴れていくのを感じ頬を緩め)

(そのまま足早に家の方向へと歩き出してしまった相手に若干の違和感を覚えつつすぐに隣に追いつき歩行速度を合わせて。万が一何かあってもすぐに守れるようにと2人で歩くときは普段からこうしてぴったりと隣にくっついて歩くようにしている。改めてお礼を言おうと隣にいる彼女へと視線を下ろせば、その顔には僅かに疲労が表れていて。話していたときは元気そうだった、なら魔法を使ってからか──彼女は自分ほど頻繁に魔法を使うことはない。自分の所為で無理をさせてしまったこと、更にこちらに罪悪感を抱かせない為に気を使っていたのだと先程の違和感の正体に気が付いては謝罪の為に開きかけていた口を閉じて。謝罪の代わりに今日は帰ったらいつも以上に彼女に尽くそうと心に決めるが、すぐ近くとはいえこのまま家まで歩かせるわけにはいかない。歩みを止めれば相手の腕を優しく掴んで)

レインさん、ちょっと失礼しますね。

(此処から家までの距離なら自分でもある程度は正確に転移魔法を使いこなせる。以前足場の不安定な位置に転移してしまった経験を思い返し、念のためにと相手をしっかり自分の方に引き寄せればそのまま家の扉の前へと転移して)


>シエル

なるほど、心得ておきます。

(一見無価値なものであれ状況により意味を持つこともあるということだろうか。未だ完全な理解には及ばないが、彼女の言うことに間違いはないだろう──こくりと頷いては素直に受け入れ相手の言葉を胸に刻んで)

僕が用事でここを離れるときにこの都市一帯の様子を逐一確認できればと思っているんですが……想像していたのは千里眼みたいな感じでした。

(習得に膨大な時間がかかり、使用には体力を大幅に消費する──そんな風に考えていた魔法がまさか一度で死に直結する程のものとは。思わず息を飲み、「脳まで焼けてしまっては元も子もないですね、」と付け足しては眉尻を下げて。)

魔法陣、使い魔…あ、魔力を込めた結晶とかはどうでしょう?これも媒体として使えますか?

(相手の言葉を反覆し、以前相手の家に家事をしに行った日に彼女の使い魔として猫を紹介されたことをぼんやりと思い出しながら考えを巡らせて。例に挙げられた二つはどちらも扱った経験がない。これらをものにするまでの間に何かが起こってしまったら──そんな不安を抱いては自身の得意とする魔法から媒体を生み出すのはどうかと指先でクリスタル状の氷の結晶を作り出しながら相手に訊ねてみて)

(/早速考えてくださってありがとうございます!こちらとしてもウィルくんには沢山他所のお手伝いをしてほしいので、是非その設定でお願いしたいです。週一は必ず通うとして、何かあれば出来る限りすぐ駆けつけるつもりでいると思うので今後絡んでいく中で状況によって呼び出していただければと思います!)


>ロビン

あぁ…なんとなく、わかりました。前に花がシーツ一面に生えた、みたいなお話を聞いたような気がします。

(話を聞いたときは意味がよくわからなかったが、本人の言う通り魔法を"抑えている"というのであれば納得だ。此方に伝わるようにと言葉を選んでくれる相手にこくこくと相槌を打っては理解を示して)

えっ、いいんですか?実は、他にも普段練習に付き合ってくれている人がいて…近いうちに会えると思うので、また紹介しますね。本当にすごい人なんですよ。
──僕の魔力で作った植物…わかりました。また何かあったら言ってくださいね。

(断られてしまいそうな流れを感じ諦めかけていたところで突然の承諾に驚き。練習に立ち会ってもらうとなると、ぱっと思い浮かぶのは既にお世話になっている魔法使い、シエルの姿。まさか2人に繋がりがあるなどと知る由もなく、尊敬する人達が自身の鍛錬に立ち会ってくれることに対する喜びを噛みしめながら目の前の相手にも彼女の凄さを伝えようとして。相手からお礼について言及されれば現状一輪花を咲かせるのにも苦労はしているものの本当にそれだけで良いのかと不思議に思い、いくらでも追加条件を受け入れるという姿勢を示して)

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