ペップシ 2020-05-03 23:03:09 |
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よっしゃできた。
優はごくごく普通の家庭で生まれ、少し充実はしているがある程度普通の人生だった、そう、あの日が来るまでは。
優が小5の頃、一日が終わりを告げようとし眠りについたそのころ…気づく間もなく強盗は侵入し、ねている間に両親は刺殺された、その光景を優はただ見ていることしかできなかった。
ショックで気絶し、目覚めた朝、優は生きており自分が生きていたことに歓喜する、ひょっとして昨日の出来事は夢だったのではないか、そんな期待を抱きながら。
だが待っていたのは悲惨な顔をした両親の魂無き屍だった、優は泣き叫んだ、両親の屍を抱き、声が枯れるまで。
一通り泣くと水を飲むために台所に向かった、きっと優の心はこのとき一度壊れていたのだろう、水を一杯飲む。何も感じない、あるのは虚無感だけだった。すると横から声をかけられた。「おい、ガキ、起きたか。」その体格、風貌から察するにあの強盗だ、優はかがんだ、殺されるのではないか、そんな恐怖を全身で感じながら。
それからは無心だった、生かされ、奴隷のように家事ばかりした。飯なんてものは残飯だけだった。時には性の処理までやらされた、そんなことをされても優は何も感じなかった。がりがりにやせ細り、服はボロボロで、目は虚ろだった。そして月日は流れ18になった。優はある日掃除していた。すると外から鳥のさえずりが聞こえてきた。普段は意識していなかった外のことだ。気づけばさえずりを夢中で聞いていた、そのとき優は自覚した。まだ自分は期待している。この生活から逃げ出せるのではないか、と。そこからは早かった、ばれぬように包丁を一本盗み、鋭く研いだ。強盗が寝静まった深夜に、何度も何度も。そうして外を出てもいいようにいろいろと準備をすること2年。ついにその日がやってきた。決行したのは寝静まったころだった。まるであの日のごとく。優は泥棒に馬乗りになり思いっきり突き刺した、憎悪に任せて何度も刺した、何度も、何度も。
やがてわれに返るとそこには血で染まった手と刃先が折れている包丁があった、何も感じずシャワーを浴び、服を着替え、そこを出た。外に出た瞬間、優は涙を流した。それが歓喜なのか、はたまた人を殺めた罪悪感なのか。優は歩き出し、様々な場所を回った。時には海外にも言った。そうしてすごしていくうちに人のやさしさに触れ、いつしか明るくなっていた。そして日本に戻ったある日、折伽町のことを聞きつけたのだった。
そこでいろいろな人と出会い、仲良くなっていくのは。また別のお話。
こんな感じぃ!
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