Yoidore 2020-05-02 22:03:21 |
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>81 ピエニ
おうよ!
(押さえた柱はそれが支える処刑台の床上に人物が乗っていることもあってギシギシと軋み、それでも人並み以上に膂力がある己にとっては耐えられないようなつらさではなく、先に強く頷き返してくれた相手の瞳へ、無意識のうちに厚い信頼を寄せていれば、邪霊の捕獲/補食は他の二人に任せ、己は補佐に徹しようと。
しかし、いくら常人よりは力が強いと言えど、本来なら複数人が上がれ、罪人が暴れても壊れない丈夫な作りになっている処刑台……崩れそうになっている現在は、バランスを保って支え続けるのに体力を要するのもまた事実で、腕を始め、全身に力を込め続けていれば、徐々に額には汗が滲み。だが、その汗が下に落ちようかという時、丁度相手が邪霊の捕獲に成功したらしく、次の刹那にはもう熊型の少女とともに処刑台から下りて、危険そうな地点からは離れていき。
その様子を視認できたことと、己に向けられた相手の台詞が耳に届いたことで威勢よく冒頭の通りに返事をすれば、念のために周囲へ視線を向けて、巻き込まれそうな近くに人がいないことを確かめ「倒れるからなあ! 誰も近付くんじゃねぇぞ!」と警告を叫び。今にも己に向かって崩れてきそうな処刑台から手を離すのと同時に、潰されないよう素早く横によけては、いよいよ腐った木材が軋む音は大きくなって。
これはまずいと状況を目で追っている余裕もなく、即座にたまたま視界に入った二人の元へと逃げ出せば、背後では倒壊音が鳴り響き、ついびくりと背を震わせ……なんとか二人の手前まで辿り着くと、一度は後方を見て騒ぎの結末を確認したが、すぐに視線を両者へ戻し、中間の台詞は苦笑いを浮かべつつ、だが労うように。言葉を続けた先では瞳を丸くし、本心からの心配が伺える顔立ちとなって)
ひええ……吃驚したな。お嬢さん、あんた無謀だぜ。……取りあえず、二人とも怪我はしていないか?
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