Larimar/amethyst 【〆】

とりあえず、部屋を作っておいたヨ。

一応、此処が俺のマンションの部屋。
4LDKで、玄関入って左に曲がって左右に１つずつ部屋がある。右側が書斎で左側が空いてる部屋。廊下を進むと右手にトイレ、目の前の扉がリビングダイニング。入ってすぐ左側にキッチン、右側にパウダールームとバスルーム。リビングの右側にある部屋が俺の寝室で、反対側にも部屋があるんだけど、そこも空き部屋デス。
無駄に広い部屋だけど、良かったら寛いでいって。

ってことで、お家に、とーちゃーく。(マンションの駐車場に車を停め、オートロックを解除し、エレベーターに乗り込み最上階を押して降りた先の目の前の扉の鍵を開ければ、けらりと笑いつつ声を上げながらリビングまで歩き電気をつけて)なんか飲む？(適当に寛いでて、と口にしてからキッチンに向かいつつ問い掛け)

…全っ然寛げねぇ…( マンションを目の前にしてから終始眉を潜めて手馴れた様子の相手の動きを目で追っているも、リビングへ通されるとその場に棒立ちになり低い声で呟き )…逆にこういうとこで飲むもんって何？( あまりにも普段目にする場所と違いすぎる光景に現実味さえ感じられず、質問に質問で返しながら周囲を見回し )

広いだけの部屋だって(勢いよく連れてきたはいいが棒立ちになってる姿に、肩を震わせ可笑しそうに笑い)いや、普通にコーヒーとか、カフェオレとか。ビールとワインもあるヨ。此処、俺の家。普通の家だって。バーとか堅苦しい場所じゃないワヨ(そんなに変かねと考えながら答えては冷蔵庫を開け)あ。コーヒー牛乳もあるヨ。俺、これ好きなんだよなぁ。秘書クンが買ってきたんだな。斗真は？どうする？(紙パックのコーヒー牛乳を取り出せばとりあえず自分の分のをとグラスに注ぎながら改めて問い掛けて)

だけではなくねぇ？俺エレベーターの目の前にある部屋とか初めて来たんだけど( 笑う相手を見て不満げに顔を顰めて反論を口にし / 窓際に歩み寄り見惚れるように景色を眺めながら「社長なんだもんなァ…」と今更実感しながら零し )ふはっ、子供みてぇ( 相手の言葉に耳を傾けつつも何処か心ここに在らずといった様子で周囲へ視線を走らせているも、冷蔵庫を開ける姿に視線を留めて続けられた言葉を聞けば破顔してクスクスと笑い / 「じゃあ俺もそれ飲む」と返してはソファに控えめに腰を下ろし )

このフロア、俺の部屋だけだからなぁ(けらけらと可笑しそうに大層なことをさらりと言い切り/窓の外の景色を見てるのに気付けば「花火大会とか近くのだと此処から独占できるのヨ」けらりと笑いながら告げ)ブラックコーヒーも味があっていいけどなぁ、やっぱ、コーヒー牛乳がいちばん美味い(ふふん、と何処か威張るように言い切ってはもうひとつのグラスにもコーヒー牛乳を注ぎ/グラスを持ってソファまで移動しては目の前のテーブルにグラスを二つ置き「スーツのまんまだから着替えてくるな」と声をかけてはそのまま奥の寝室へと入っていき扉は開けっ放しにしたままで)

…もうなんか引くんだけど( 平然と口にする姿を目を細めて見詰めるとぼそっと零し / 「へぇ…すげぇ」と目を瞬いて思ったままを口にするとふと振り返り窓に軽く凭れながら「なぁ、ここの名前の意味って何？」とゆるりと首を傾げて尋ね )あ、ありがと( 何処と無く微笑ましさを感じながらクスクスと笑い相手の言葉に耳を傾けるも、目の前にグラスを置かれると礼を言い / 寝室へ消える後ろ姿を少しの間眺め小さく溜息を零すとグラスを手に取りながら「あー…やばい、なんか緊張する…」と小さく漏らし )

なんだなんだ、不満そうだな？(零れた言葉は聞こえなかったが何となく悪口を言われてる気がして緩く首傾げ/「夏になったら一緒に見るか。やるか、ちょっと危ういけど」けらりと笑いながら誘い、続く言葉に肩を揺らすと「宝石の名前。宝石言葉って知ってる？俺がおまえさんに抱いた気持ちを代弁してる二つの宝石」恥ずかしそうに視線を外しつつ答え)そーいやーさー、秘書クンがね。『そんな、いかにも女にフラれて泣きましたみたいな顔で仕事されると迷惑なんで、明日一日で腫れた目を治してください。後ついでに顔も…あ、元からでしたね。すみません。』って言われたワ。酷くない？(クローゼットからVネックのシャツとスラックスを取り出し着替えながら思い出したように部屋の向こうから先程の休みをもらった件のことを話しては寝室から戻ってきて「一言二言多いんだよな、アイツ」不満そうにしながらソファに歩み寄ると隣へと腰を下ろし)

別に？住む世界が違うなーって思っただけです(澄ました顔でひらひらと手を振ると口元に笑みを浮かべて決して嘘ではない言葉を返し )見る。まぁやんなかったらやんなかったで来年に期待すりゃ良いんじゃん？( 嬉しげに表情を綻ばせて返し / 耳慣れない単語に「宝石言葉？」と目を瞬くも悪戯げに口角を上げると「なになに、どういう意味？」と相手の顔を覗き込み )ふはっ、そういう事かァ。…今結構治ってるけど、ちゃんと冷やさなかったのか？( 聞こえてきた声に思わず肩を揺らして笑い / 隣へ座る相手に視線を向けて見慣れない姿に何とも不思議な心境を抱くも目元へ視線を留めるとグラスをテーブルに置きつつ尋ね )

…俺から見たら、お前さん達の方が住む世界が違うって思うヨ。羨ましい、ってな(きょとんとするもすぐに小さく笑えば自分で選んだ道とはいえ後悔しなかったわけじゃないと目を伏せて)そりゃそうだ。良いこと言うね(けらけらと楽しそうに笑い/う、と息を詰まらせ目元を若干赤らめつつ「ラリマー、安らぎ。アメシスト、心の平和、調和…おまえさんが、与えてくれたもの、って、思い……まして。」目を伏せ思い出すように口にしてから恥ずかしさが込み上げてきて敬語になり)冷やしたんだけどなぁ、朝はちょっと腫れてたから眼鏡かけてったの。そしたら、苦虫を噛み潰したような顔してやがったワ(グラスに手を伸ばし一口喉を潤してから相手へと顔を向けて「仮にも上司なんだけどなぁ」とけらけら笑えばグラスをテーブルに置いて背もたれに体を預け)

間違ってあげちまった。すまん(申し訳なさそうに手を合わせ)

…俺の何が羨ましい？( 伏せられた相手の目元を見詰めるとふと片手をその頬に添えるように触れ、未だ微かに腫れて見える目元を親指でそっと撫でながら目を細めて尋ね )楽しみ一個増えただろ( 何処と無く得意そうに口角を上げ / 無遠慮に相手を凝視しながら聞こえた言葉を脳裏で噛み締めるように反芻すると、湧き上がって来る照れ臭さとそれを上回る嬉しさに「あは、かーわいい」と笑みを零してはしゃぐように相手の首元に腕を回し )面白いよな、秘書さん。何でそんなスパルタなんだよ( 勝手に想像を巡らせてクスクスと笑い )

別に良いよ。一応龍司さんに合わせたけど、下げ進行な。了解。あ、こっちは蹴っといてくれ( 頷いて答えるとひらひらと手を振り )

…おまえさん達の苦労をわかってやれない。20代で起業したからな。そんときから、俺はもう実業家だった。だから、上司が、とかいう愚痴を俺は聞くことは出来ても共感はできない。板挟みになったことも無い。俺からしたら、そういう普通の感覚っての？が、すごく羨ましい。(目元を撫でる指先に瞼を震わせゆっくりと開けば静かに語るように答え「特に斗真は…俺にはないもんを沢山持ってて、すごく羨ましい。憧れる。」相手の方へと顔を向け愛しそうに見詰めながら抽象的ではあるもののはっきりと言い切り)増えた。(ふ、と小さく笑みを零しながら素直に頷いて/「う、わっ…おま、おじさんに向かって可愛いはないだろ？」カッコつけるとこだったのになぁと少し後悔していたところで首元に回る腕に瞳を丸くさせては腰に手を添え支えつつけらりと笑い)幼馴染なんだヨ。向こうの方が一回り下だけどな。俺が起業するって決めた時、元々補佐系の仕事がしたかったって言っていつの間にか秘書みたいな仕事し始めてなー。あいつに助けられたことが殆どだから。だから、頭が上がらない。(思い出すように目を細めては大袈裟に肩を竦め)

そっかー…そういうの、羨ましく思うんだな( 頬を撫でるように指を滑らせながら手を下ろすと幾度か小さく頷き / 向けられる視線に微かな照れ臭さを感じてふと視線を下げはにかむような笑みを零すも、改めて相手に向き直ると「でもこれからは、俺が龍司さんにあげられるもんは全部やるんだぞ。龍司さんが羨ましいって思ってる物はやれないかもしれねぇけど、その代わり以上の物をやれると思うんだけどな」と目を細めて笑みつつ首を傾げ )可愛かったよ、照れまくってんだもん( 答えつつクスクスと楽しげに肩を揺らして笑い )へぇ、すげぇな。良かったじゃねぇか、そういう人が近くに居てくれて( その言葉に目を瞬くと感心するような面持ちで頷き )

俺はこれから先も経験することは無いからな。(羨ましいヨ、と再び口にしようとしたところで、先に相手からの視線を受け止めては瞳を丸くさせ。彼には沢山のことを教えてもらえて今もこれからも与えてもらえる嬉しさに破顔し「そうだな。期待してる。斗真、本当にイケメンだなぁ」わしゃ、と軽く髪を乱すように撫で)ったく…キス、してい？(呆れ半分、照れくささ半分で息を吐き出せば、ふと相手の頬に手を添え額をコツンと合わせれば強請ってはじ、と見詰め)ちなみに、秘書クン、彼氏持ち(感謝はしてるヨ、と口にしてから思い出したように、ニィと口角上げ意地悪く笑い)

そうだろ？良かったな、良い男捕まえて( クスクスと笑いながら相手の掌の感触を甘受し / 乱れた髪を一度解きながら謙遜も無く言ってのけると悪戯げに口角を上げて相手を見て )…良いよ、有料だけどな( 笑みを零す最中不意に頬に温もりを感じて視線を上げると耳に入る言葉に小さく鼓動が跳ね / 以前も一度口にした台詞で答えながら微かに顎を上げて誘うように鼻先を触れ合わせ )え、マジ？秘書さんの写真ねぇの？( 瞠目して相手を見ると途端にこれまでに増して興味が湧き始め僅かに声を弾ませながら尋ね )

本当になぁ。俺には勿体ないくらい良い男だ(ふ、と小さく笑ってはさらりと言いきり/解かれた髪を梳きながら「でも、もう俺のもんだから。誰にも渡せる気がしない」本心をそのままそっくり口に出しては今度は恥ずかしがらずに言えた嬉しさから思わず笑ってしまい)…高そうだな。一生かけて、払わせて(困ったように笑いながら呟くも頬を撫でていた手を顎へと滑らせ/更に言葉を続けてはそのまま相手の唇へと唇を重ね合わせ少し時間を置いてゆっくりと離れて)あー…あ、あるワ。スマホ買ったとき、慣れなくてカメラばっか弄ってたときに隠れて撮ったんだったワ(少し悩む素振りをみせるも思い出したようにスマホを取り出しギャラリーを開けば10歳くらいの女の子の写真だらけの中をスクロールし「あったあった」と開いた写真にまさに美丈夫な髪の短い青年が無表情で映っており)

…まだ微妙に実感ねぇっていうか…現実味無く感じる( 心地良い掌の感触に目を細めながら向けられた言葉を噛み締めて思わず頬を緩め / ふと苦笑混じりに零し )ん…( その言葉に堪らないような気持ちが込み上げるまま微かに眉を下げ / 唇が離れるのに応じて閉じていた目を開くと先程の相手の言葉を「プロポーズが随分早いな」と笑いながら茶化し )…うっわ、美人ー…( 然程覗くつもりは無かったものの僅かに目に入った写真に視線を吸い寄せられ思わず無言で見詰めるも、一枚の写真が開かれるとそこに映る姿に瞠目してぽつりと零し見惚れるように眺め )

…昨日言った裏話。本当はなぁ、おじさん、告白するつもり無かったんだヨ。寧ろ、昨日ので最後にしようと思ってた。もう喫煙所にはいかねえって。でも、仕事は忙しいワ、自分の気持ちの整理は使ねえワでめちゃくちゃなまま、喫煙所に行っちまった。(髪を梳いていた手を相手の腰へと回し抱き寄せ肩へと額を乗せてはゆったりと紡ぎ出し「そしたら、おまえさんたちに気付かれちまってなあ」と自嘲し)ほら、おじさん、もう歳が歳だから。早めにしとかないと(心から好きだと思える人との口付けの心地良さの余韻に浸る中、茶化されれば小さく笑ってしまい/軽口で返しながら額へとリップ音と共に口付けを落として)此れで、完タチ。ネコの顔しておいて詐欺だと一回言ったらぶん殴られた(昔から変わらない顔立ちに微笑ましさを覚えるもふと思い出したことを口にしては何だか痛くないはずの頬が痛いような気がして右頬を撫でて)