所詮、私は獣です。【〆】

あなたと一緒に、夕食を…ですか？ ──かしこまりました。
( 彼女からの思いがけない提案に、思わず目を丸くし瞬いて。食事の用意はそれなりに慣れてはいるが、誰かと一緒に作った記憶は、母の手伝いをした遠い昔のこと。何だか擽ったいような感覚の中ぼんやりと見つめてしまっていたが、我にかえって淡々と了承の意を示し。日用品を揃えてくれるらしいが、彼女一人で大丈夫だろうか。危険な事はないのだろうか。護衛という元々の立場もあり着いていきたいが、この身なりでは堂々と出歩く事は不可能だろう。せめて此方の世界で通用するような衣類がひとつでも揃うまでは彼女に頼るしかなく、何処か申し訳なさそうでいて彼女の身を案じるような表情を浮かばせ )
──…申し訳ありません。私もお供したいのは山々なのですが…。その…ユイ様お一人で大丈夫なのでしょうか？