旧家の子 2020-04-05 18:09:38 |
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(いつも通り、壁際のベッドで退屈そうに指先で本をなぞりつつ、頭では全く別のことを考えているためかぼうっとしており。常ならば傍に居るはずの八尋も、母の手伝いへと駆り出されているのか姿を見せず、軽い溜息をつく。だが、頭ではもうそろそろ八尋がいつものように慌ただしく部屋にやってくると思うと肩の力が抜け、ぽすんと倒れ込み毛布にくるまる。今日は母の着物に庭で取ってきた虫達を隠してきたのだ。もちろん害はないが、八尋は怒るだろうと思うと楽しくて仕方がない)
……母上は俺のための八尋をすぐに使われる……
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