いや、いい。女中は呼ぶな。 (不安そうに覗き込む相手の表情を見て、自身がますます情けなくなり。背中を支える手を振りほどくように立ち上がると、何時にも増して大きな笑顔を浮かべ。「ただの立ち眩みだ。早く華を探しに行こう」と相手に顔が見えないようずんずんと前を進んで行き。その実、自身の弱さを呪うように口はきつく噛み締め、うっすらと血が滲み。暫くすると美しい花の咲き乱れる庭に着き)