とある妖 2020-04-03 21:48:47 |
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( 「尻尾…」今気づいた、という風に揺れる尾に吸い寄せられる目。耳が良いなら尻尾も触らせて貰えるだろうか、と期待の目を向ける。「綺麗!図鑑で見たのより、もっとずっと庵さんのが綺麗!」手放しで誉めるのは、それが率直な感想だから。ここに図鑑があれば比べられるのになぁ、と小さな声で呟くも、それが叶うはずもなく。「暖かいよ、僕体温が高いの!」いつか母に言われた言葉をそのままトレースしながらぎゅうと抱きついて。もっと撫でてと言うように、にへと笑って顔を見上げた。「どーほー…うん、とりあえず、わかんなかったら聞きます!」さて告げられた難しい言葉はどうにもわからないが、そのまま言うというのもカッコ良くない。びしっと敬礼してはとてとてと後を追う。「甘味、ええと、甘いのっていうこと?餡蜜!大好き!食べたい!」はいはい、と両手を上げては破顔して。目を輝かせたその表情は決して嘘偽りなどではなく、故に警戒を忘れ去っていることを暗に告げるもの。以前食べたそれを思い出しては両手で頬を押さえて「そう言えば知ってる?あんまり美味しいとほっぺが落ちちゃうんだって!」生来のいたずら好きが顔を出し、上目遣いに反応を伺って )
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