司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>988 ノア
今更知ったのか?
(柔らかい毛皮のような笑みに、一瞬まばたきを止めた。次に目を開けた時には霧散してしまった驚きを隠すように牙を剥きだしてニヒルに笑った。自己肯定感は決して低くない。王室育ちでそれはそれは大事に育てられたのだのだから。それでも、そう直球に言ってくる人間は少ない。特に男子校であるナイトイレブンカレッジでは。サバナクローの人間が“素敵な人だね”だなんて言ってくるならば、気色悪さすら感じるだろう。女性である相手だからこそ様になるというモンだ。だからオヒメサマが次々と甘ったるい言葉を投げてきたのも、相手にジトリとした視線を向ける程度で留まった。口の中に入れた紅茶の香りが鼻に抜けて、舌に残ったアイスクリームが甘ったるい。カゴに糸と棒切れを仕掛けただけのバレバレの悪戯に、どうせ自分の表情が変わるのが見たいだとかその辺りだろうと当たりをつけて……掛かってやろうではないかと一歩踏み込んで、口の中に残る砂糖の甘さを無理矢理飲み込んだ。彼女の肉質の柔らかそうな手をとって、恭しく持ち上げ顔を寄せた。流石に触れるまではご法度なのでリップ音のみだが、軽やかで甘い音が店内に響く。顔を上げたライオンは先程までの牙や爪を引っ込め、さも無害といわんばかりの演技のニオイのしない柔和な笑みを貼り付けていた)
――オヒメサマの御意のままに。
(/お心遣い痛み入ります。貴方様もご体調大丈夫でしょうか;どうぞご無理なさらずごゆっくりお過ごしくださいますよう)
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