司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>881 ノア
これから落とすんだろ、ガラスの靴。
(乾いた音が聞こえ、ギョッと目を見開く。眼下にいる司書が突然自分の頬をひっぱたいたものだから、訝しげに眉を顰めた。なんという脳筋的な調子の取り戻し方だ。と、呆れてジト目で見下ろす。案の定周りの店員もポカンとしている。これだからお転婆なオヒメサマは……とカバンに伸ばされた手をカバンを肩に掛け直すことでヒョイと避けた。少なくとも自分に女性に金を出させる趣味はない。煌びやかなサンダルをまとった細い脚から、頬を赤く染めた彼女へと視線を上げる。自分ならきっと似顔絵でも書いて報奨金をつけてまるで指名手配かのように探すだろうと思う。そもそも、王子様がガラスの靴を用意する側ではなく。かと言って善良な魔法使いなど寒気がする。第二王子など、何者にもなれない。彼女の問いかけには答えず、ただ口元に笑みを浮かべたまま返事はしなかった。その代わりにからかいの言葉を投げる。ふふと口元に笑みを浮かべる相手に、気だるそうに瞼を下げた。どこの世界にこんな憎まれ口を叩く王子様がいるのかと、バッサリと切り捨てひらりと彼女のカバンを持ったまま、レジへと向かった)
俺の横をセンスの無ぇ格好で歩かれるのは御免だ。
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