司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>856 ノア
(茶目っ気たっぷりなお嬢様に大袈裟に肩を竦めた。まぁこんなのただの子どもの言い訳と大差ないレベルなのだが、浮足立っている相手の様子を一瞥して何度目かのため息をついた。この学園で己をそう堂々と呼称する人間はほんの一握りだ。キラキラとした笑顔の相手に、「すっ転んで歩けなくなったら余計に時間の無駄だろう」という苦言を飲み込む。どれだけ楽しみ……いや、すでに楽しんでいるのだろう相手の踊る手首を掴めば、スルリとそのまま手の平へと指を滑らせた。そのまま押し上げるように相手の手の甲を太陽に向け、もうそれはそれは恭しく“王子様らしく”手をとって。流石に“許可”がないので、白馬の王子なんてサムイヤツのマネなどしないが、薄桃色の指先と自分の鼻先が触れ合うほどの距離まで持ち上げると、エメラルドグリーンが睫毛の影で縁取られる。顔を上げた表情は、柔和な笑み、かと思えばまぁサバナクローの寮長らしい肉食めいたニヒルなもので)
――わかったわかった。まぁそう慌てんなよ、お転婆なオヒメサマ。
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