司書 2020-03-22 13:34:22 |
|
通報 |
>レオナ
キミこそ、この司書様の頭を気安く撫でるだなんて良い度胸というものですよ──
( ぴこっと頭の上で揺れる獣耳が心底憎らしい、可愛らしい見た目とは裏腹に性能が確かなその耳はさぞ音をよく拾うのだろう──童話にその耳の大きさと性能をたずねて食べられた少女がいるくらいなのだ、だからこそ先程私に気がついたのは物音が聞こえたからかと確認はしない。ただ、この生徒は自身の立場もこの司書の立場も理解しているのだろう。片や一国の王子として将来は手の届かない存在になり、片や得てしまった知識に縛られて最悪は命尽きるまでこの図書館から出られない出自不明の司書──ある意味、仮にこの生徒がいつか自分の国を奪おうと考えたなら、この歩く禁書のような司書の存在でも思い出してくれたならと思うが、そんなこともしないだろうし。離れた手に、乱された髪を直そうと手を持ち上げかけて・・・少し強く、どこからが吹いた風にぎゅっと目を閉じ、落ち着いた頃にそうっと持ち上げる。カウンターに反射した自分の影の髪が綺麗に整えられているのを見下ろして、何度目かのぽかんとした表情をしてから満足気な目の前の──王様に視線を戻し、喜色が滲まないように、意識して鼻で笑うように目を細め )
触り心地がいいモノでもなかっただろうに、ご丁寧にありがとうございます・・・どうやらサバナクローの王様は施しを与えるのが上手いらしい
| トピック検索 |