司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>1974 マレウス
( そこまで遠くへは行っていないだろう、人目につく場所に向かうとも思えないしこの時間には既に多くの生徒が部活に精を出すか寮へ戻っているものだ。再度くるりと辺りを見回そうとしたほんの一瞬、風が一際強く吹いて葉を足元に回しながら声が届く。子守唄にも似た、低く穏やかで静かな声が。導かれるように視線を巡らせれば、黄色の下に新緑のような瞳があった。その色合いが、或いは備え付けの簡素なテーブルと図書館の質素な椅子ですら玉座のように見せてしまう姿が、どうにも浮世離れして美しく、絵画のようで──その中に己も向かうのか、と思うとどうにも。ギュッと苦いものでも食べたかのような顔を一瞬、直ぐにいつも通りのすまし顔に戻りつつ生徒へと歩み寄り )
・・・椅子を運んでくれてありがとう。キミの声は随分と心地よく響くものだね、風の中でもちゃんと司書に届いた
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