司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1326 カリム
(カリムが迷っている様子を横目に、食堂の一角へとゆっくり歩き出す。雑然とした群衆を背に、二人だけの小さな縄張りを確保するために自分の上着を椅子の背もたれに掛けた。相手の弱気な言葉に、少し腕を組んで考える。学食はビュッフェ形式で、大勢の人間が同じ大皿からとってゆくので毒殺はかなり難しいだろう。そもそも第二王子という立場の自分と一緒に来ることなど予想しようもない。あのよく頭の回る毒味役が役目を放棄しても良い場面であるということを加味すると……相手の最善手はやはり自分と共に食事を摂ることだろう。なんてことないように口端をつり上げながらとくとくと諭すように言葉を並べて)
なら、俺と同じものを選んで食えばいい。ここはビュッフェ形式だし俺は鼻も利く。リスクは最小限だと思うが。
>>1327 ノア
──へぇ……こいつは悪くねぇな。
(扉を潜った瞬間、図書館とはまるで別世界のような空間が広がる。柔らかな光が差し込むこじんまりとした部屋には、古い紙とインクの香りが満ちていた。視線を巡らせれば、年季の入った背表紙がずらりと並ぶ本棚、足元には品の良さそうな絨毯。窓に寄ると、ガラス越しには豊かな景色が映し出されている。陽の傾きまで再現されていて、よくできていると感心するほどだ。司書が語るこの部屋の由来を適当に聞き流しながら、奥へと歩みを進める。絨毯を踏む感触も心地よく、適当なソファの背に手をかけつつ、傍らの本棚を一瞥する。読んだことがあるもの、聞き覚えのあるもの、悪評がついたもの――バラエティ豊かなな本たちに思った以上に興味を引かれ、ふと鼻を鳴らす。インクの匂いがどうのと聞かれていたが、むしろ暇しなくて済みそうだ。期待以上の空間に、目を細めて柔らかに笑う。そして、振り返りながらゆったりとした口調で )
──気に入った。やるじゃねぇか、見直したぜ。
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