司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1294 ノア
ったく、王子様遣いが荒いこった。
(放り投げられたチョーカーをポンと軽く指先で弾いて受け止める。まったく、街じゃ渋い顔して断ったくせに、今になって当然のように寄越してくるとは、都合がいいことだ。文句を言いつつも、煌めく石を手の中に握り込む。次の瞬間、手の中にあったはずの石の輪郭がグズグズと崩れ、伝染するように金具、リボンが形を失くしてゆく。音もなく砂へと変わったそれらは、指の間から零れ落ちてゆき……完全に全てが茶色い砂に変わった。まるで最初から存在しなかったみたいに、風が跡形もなく攫っていって。腕を払って残った砂も落とし、前を向く。振り返った彼女の首には、薄らと赤い痕だけが残っている。そこに首輪はないことを確かめ、軽く口角を吊り上げて)
──証拠隠滅、完了。これでお前も、自由の身って訳だ。
>>1295 カリム
相変わらず大袈裟な奴。
(目を輝かせて駆け寄ってくるカリムを横目に、僅かに眉を寄せる。まるで子供みたいな反応に、そんなに驚くことだろうかと日頃の自分の行いを棚に上げて。相手がイノシシのごとくすぐ横に走ってきたのには何も言わず好きにさせておく。自分と飯が食いたい奴なんざ下心丸出しのハゲタカしかいない。素直な感情をそのまま出力する様子に、完全に茶化す気にはなれず歩調を緩めて)
そりゃ、お目が高いな。
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