司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1257 ノア
あぁ?おかしなこと言ってんのはお前だ。自分に優しくしてねぇからそんな卑屈な考えになんだよ。いただろ?花だのドレスだのケーキだの差し出した奴が。
(目の前の彼女を改めて見下ろした。いつもの気楽な笑みを浮かべてはいるが、どこか翳りがある。彼女は自分について、まるで最初から何も期待していないみたいに、どこか線を引くような物言いをする。彼女なりの防衛反応なのかもしれないが、折角楽しかった外出の最後に、そんな顔をするのは実に勿体ないだろう。そんなことないよ、など砂糖を吐きそうなセリフは生憎第二王子にはできやしない。代わりに彼女の整えられた髪に乱暴に手を突っ込み、ぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。せっかく綺麗にしてきたのが台無しだろうが、もう舞踏会は終わりなのだから良いだろう。終わったあと、あのバス停に並んでいる奴らは気付くのだ。彼女の隠されていた魅力というやつは、便利な頭だけではないことに。並んで歩く彼女の影がふと揺れて、鮮やかな黄色が飛び込んでくるのを視界の端でとらえた。そして、一緒に入ってきた彼女の白い手。ヒョイとカバンを上げ、これみよがしに肩に掛け直して)
そこは素直にありがとうって言うところだろうが。……荷物は学園で渡す。
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